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グラン・トリノのcotaのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.3
エンドロールで凄くじんわりと感情が溢れてくる、これがジーンって擬音語かと率直に思った。悲しいとか怒りとかそういう単一した感情ではなく、色んなものが織り交ざってただエンドロールの映像を見つめてる感覚。見終わったあとのこの感覚は今まで経験したことがなかったな。
幸せなひとりぼっちに設定は似てるけど、こちらはより老人側の内面を描ききった印象。物語の展開点になる出来事では、本当に心が掴まれた、気持ち悪くなるくらいに。
周りとの接し方が分からないため、口が悪く自ら壁を作っていたウォルトを、隣人が文化の側面も見せながら少しづつ暖め、家族になっていく。1人静かに寂しくエンジンを響かせていたグラン・トリノは、ラストシーンまで一度も走ることは無い。ウォルトを象徴しつつ、プライドよりも大切なものを優先した決断。
うーん。書いててなんて表現していいか、見終わってすぐだとまだ自分に落とし込めてない。少なくも心に刻まれた、印象深い素晴らしい作品だった。
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