HajimeKaneko

グラン・トリノのHajimeKanekoのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
5.0
朝鮮戦争から始まりベトナム戦争、湾岸戦争を経てイラク/アフガン戦争に至るアメリカの没落を表現している。その帰結が、かつてアメリカの戦争の犠牲になったモン族の青年に、古き良きアメリカの最後の灯火であるフォード・トリノのとっておきを与えること。72年に発売されたマッスルカー、グラン・トリノを最後に73年に石油ショックが起きる。モン族=ラオス、中国、カンボジアに住む山岳民族。死を予感した時に軍人として一命を何かに費やしたいと思ったウォルト。
男の落とし前の付け方。
ジョン・ウェイン的「古き良きアメリカ」に間に合わなかったイーストウッドの憧れとその終焉。
殺すんだろうなぁ、と引きつけ、引きつけ、ついに下される終わりは、誰も殺さずただ自分が殺されることで総ての問題にケリをつける。
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