ルヤーナ

グラン・トリノのルヤーナのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.5
35mmフィルムで鑑賞。4回目くらいかな。スーがおじいちゃんはオールドスクールなのと言うのにたいしてウォルトが「俺もオールドスクールだ」と言い、それにスーが「でもあなたはアメリカ人だわ」と返す。おそらくアメリカのオールドスクールは勤勉による自立なのだろう。現代アメリカの自由は2種類あり、一つはなんでもオッケー的な自由であり(今のアメリカの音楽シーンなんてのはその極みみたいなものだと思うのだが)、もう一つがこういう勤勉により獲得する自由(自分で自分のことをする)なのだろう。後者はベンジャミン・フランクリンから続くアメリカンドリームの姿である。
そういうオールドスクールなアメリカ的精神がタオに受け継がれていく。スーがレイプされて家に帰ってきた時ウォルトの手からグラスが滑り落ちる演出とかで笑ってしまい、やっぱり真剣に撮ってないだろと思ってしまうのだが、なんやかんやでグラン・トリノが走り抜けていくラストショットにイーストウッドの歌声が重なるとグッとくるのです。