佐藤克巳

日本一のショック男の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

日本一のショック男(1971年製作の映画)
4.5
土本典昭「水俣」が同年の公開で、学校で強制的に観た記憶がある公害問題が正にピークに達した時期の社会風刺映画の秀作だが、日本一・クレージー映画の最終作となってしまった残念な作品。ストーリー展開はワルノリ男を踏襲した感じだが、ヒロイン酒井和歌子の兄谷啓の告発から田舎駐在警官植木等の活躍が際立つ。公害反対の市民団体と口裏合わせて製薬会社社長北竜二をガードして取り入り社長代理の肩書でテレビ局に乗込み、行方不明の社長の娘小柳ルミ子と作家志望の谷を使って番組改編し、会社の補償問題を独断専行した。会社は一般社会から評価され売上増大し補償金額を賄える自体となり植木は重役に出世し酒井にプロポーズするが、青大将田中邦衛に酒井をかっさわれるパロディは愉快であった。
佐藤克巳

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