けーはち

コナン・ザ・グレートのけーはちのレビュー・感想・評価

コナン・ザ・グレート(1982年製作の映画)
3.3
元ボディビルダーのシュワちゃん出世作ファンタジー・アクション映画。その体躯に見合うスタントは見つけられず、主役本人が体当たり演技を全てやってのけ、かくして彼は映画界に筋肉俳優という新たなジャンルを開拓するのであった。

身体が重たすぎて殺陣はモッサリだが、ストーン・ヘンジめいた石柱が立ち並ぶ中での決戦、ベトコン風のブービートラップや槍衾で脚を止めた敵の騎馬を遠間に長槍で貫いていくところは、パワー系ながらも戦上手の武将の才覚が。後に政界に打って出るのも頷けるところがある(?)。

有史以前の剣と魔法の時代って設定ではあるが、見た目は中世ヨーロッパにバイキング風味。父が殺され奴隷の身に落とされ復讐云々は定番だが、仇敵が魔道士タルサ・ドゥーム率いる蛇を信奉する邪教カルト集団。中盤で盗賊を装いカルトの総本山に忍び込んで金品を盗みだすも王様に捕縛された後「あの邪教にはワシも困っとったんじゃ~」みたいにかえって褒められてお咎めなしにされるくだりがあり、「それならアンタ(王様)がどうにかしろよ!」みたいな気持ちになるのだが、まあファンタジー英雄譚の主人公に全てを委ねる王様なんてそんなもんだ。

何より敵の双頭蛇の紋章の大写しにベイジル・ポールドゥリスによるプログレ感のある勇壮な音楽が響き、エンディングまでドカドカと押し進んでいく全編を貫く勢いがすさまじい。シュワちゃんが燃やそうと思えば、白亜の石造りの神殿ですら爆発大炎上するのだ。細けえこたぁいいんだよ。豪快な快作。