PERSPECTIVE

ガルシアの首のPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

ガルシアの首(1974年製作の映画)
4.5
爛れる灼熱の先に得られるものなどない。むしろ渇きがあらゆるものを奪っていく。いや汗の湿気ぐらいは残るか。もっともそんなの不快でしかないだろうが。

全てのシーンにおいて希望を登場も予感もさせず、伝家の宝刀のはずの暴力描写すら無常なものに変貌させてしまうほど血まみれな作風は70年代前半、すなわち虚無・敗北主義的なアメリカンニューシネマの最盛期という時代性フィルターすら貫通する臭気を放っている。

傑作というにはあまりにも臭すぎてほっぽり出したくなるが、ときおりど~~~~しても嗅ぎたくなっちゃう愛しき存在。これなしに90年代の黒沢清や北野武(あとCOWBOY BEBOP)を語るなかれ。
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