kerokeroman

機動警察パトレイバー2 the Movieのkerokeromanのレビュー・感想・評価

3.0
作画が前作と比べてガラッと変わっており、ゆうきまさみの作品とは思えないテイストになっている

前作もそうだったが野明や遊馬は完全に脇役になっていて、ほぼ後藤・南雲・松井が中心
レイバーもとりあえず出しておくか、感が強い前作よりもさらに

映像的にもストーリー的にも演出的にもかなり振り切っており、一般的なアニメ作品とは一線を画したアート要素の強い作品
それでいてメッセージ性も強く、伝わってくるものはあった

反面、その強いメッセージ性・表現方法に、果たしてこれはパトレイバーでやるべきだったのか?という感覚は最初から最後までずっとしていた

押井守が評価されている作品は実は完全オリジナル作品ではなく、攻殻にしてもこれにしても他の人の原作がある作品というのが面白いというかなんというか

また、基本的に前述の三者と竹中直人が声優のキャラの会話で物語が進んでいくので、かなり単調というかしっとりとした雰囲気の中延々と話が進んでいく

これを良しととれる人には高得点がつくのだと思うが、自分はかなり集中力がそがれる退屈な作りに見えてしまった

また、これもまた前作でもそうだったが、敵側の描写が極端に少なく、狙ってそうしているのではあろうがそちら側への共感もしにくいし、置いてかれている感じをそこでも感じてしまう

恐らく30年も前のこの作品が後の映像表現に多大な影響を与えたのは間違いがなく、当時リアルタイムで見ていれば5を振り切ったスコアを疑いもなくつけられていたのかもしれないが、30年後に見たときにそこまでの新鮮さを感じられなかったというのが非常に悲しいところ

それ故、その作品の良さを味わいたいのであればリリースとともに鑑賞するべきなのだなあと改めて思わされた作品
kerokeroman

kerokeroman