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機動警察パトレイバー2 the Movieのrintarockのレビュー・感想・評価

4.1
2.26事件をベースにしたプロット。
テロルによる戦争のシミュレーション。
治安維持を目的とする自衛隊機が都市を攻撃する皮肉。

途切れない緊張感。

「不正義による平和と平和のための戦争」のくだりと、
そのダイアローグに重なるターナーの絵のようなおぼろげな東京の風景。
すべてのシーンで人物配置が良かった。

後藤隊長の前向きな諦観。
南雲隊長の純然な正義感と不倫の過去、
そして清濁併せ呑んだ静けさ。
音もなく舞い散る雪。

'80年台日本の楽観と軽薄に彩られた虚構に冷水をかける傑作だと思いました。おまけに現在にも通じるこの普遍性よ・・・!

でも、押井守の特徴でもある長台詞は、
うーん、衒学的すぎて、やっぱダサい印象。
あと柘植がからめてくる指を受け入れる南雲さんは、違うと思った。
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