シカク

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のシカクのレビュー・感想・評価

4.0
オリジナル版は見たことがあり、二度目はディレクターズカット版。
こちらの方がよりディテールを描きカラス神父の信仰を取り戻すまでのシークエンスが上手く表現されていて、作品としての重みがひとしおでした。

悪魔に取り憑かれたリンジーが階段をブリッジしながら駆け降りるこの映画の代名詞みたいなシーンはオリジナル版ではカットされていて、子供に悪魔が憑ったら、しでかしそうな不気味でビジュアル的な引きがある。

やたらと建物のインサートが多っかったり、借り家の装飾品などが綺麗だったり、キンダーマン警部が取り調べの後クリスに実はファンなんですサインくださいと頼んだり絵的な面と気の利いた台詞で飽きさせない。

医学(精神療法)の対になる信仰心(悪魔祓い)の間で、カラス神父が葛藤して方や
リンジーのお母さんが翻弄させられたり、今作のカット版はそのあたりも厚く描かれており、登場人物たちのパーソナリティーも失いかけていた信仰心(希望)を見切らせながら輪郭を浮かび上がらせています。
最後の追加されたシーンもディレクターズカット版でより意味合いが際立って、ホラーとかジャンルものとして括られがちだけど、ただただ上質なヒューマンドラマ映画としての深みを堪能できました。
シカク

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