ケロケロみん

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のケロケロみんのレビュー・感想・評価

5.0
「主よ 私たちを試みに合わせないで悪からお救い下さい」
悪魔に取り憑かれた少女と悪魔と闘う神父の物語。純真な少女が悪で、ボクシングをする目つきの悪い黒衣の強面の神父が善という、チグハグな取り合わせが強烈。勿論何度か目にしていたがキチンと鑑賞したのは今回初めて。
容赦なく汚くおぞましい悪魔憑きの様子が面白く、またどのシーンもさり気なく嫌味や皮肉があるようで、思わず苦笑いしてしまいものすごく面白い。特に学生運動がテーマの映画を評して「ホーチミンの生涯をディズニー風にしたみたいな映画」と言ったり、リーガンの主治医が全く診断出来なくて頑固に側頭葉にこだわるところなどが良かったです。
脊椎穿刺のシーンが一番怖かったので、自分はどんなことがあっても脊椎穿刺だけはしないと決意しました。
一番お気に入りのシーンはオープニングです。本当にイラクで撮ったのかな?と思っていたらその通りで1972年頃のイラクの遺跡発掘風景、優美な建物の博物館、ダビデの墓やヨシュアの壁のある、聖書の時代からの建物に住む人々、カフェ、靴市場などが見られ、キリスト教の世界を感じられました。それによりエクソシストがより、リアルな儀式として厳かさを増した気がします。
「野いちご(1957)」や「スターウォーズ フォースの覚醒(2016)」に出てるマックス・フォン・シドーがヨボヨボのおじいちゃん神父役で40年まえに既に老人みたいですが昨年の映画にもでてるほど元気でびっくり。寝てしまってどこに出てたかわからなかったけれど。
クリス役のエレン・バースティンは「レクイエム・フォー・ドリーム」の主役です。

リーガンと母のクリスの住む家のキッチンを一生懸命みましたがやかんを確認できませんでした。