ハミングバード

浮草物語のハミングバードのレビュー・感想・評価

浮草物語(1934年製作の映画)
3.6
旅芸人は浮草稼業。座長は、興行売り上げを無視して小さな町に舞台を移す。目的は、昔の女性とそして彼女との間に出来た実の息子に会うためである。地に足がついた生き方に憧れた時代の自分がそこにはあるのだ。そんな座長の行動を、旅芸人人生の伴侶である現在の内縁の妻はいい気がしないでつい邪魔をしてしまう。芸人の持ち逃げ等も重なり、一座は解散になるが、地に足がついた息子たちからは疎まれながらも、最後には浮草稼業のパートナーの元に戻っていく。浮草稼業も人生であり、理解する伴侶とともにその生き方しか出来ない不器用な男の姿が哀しい。家族を中心に描く小津作品の中では少し異色の作品に思える。
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