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ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜のERIのレビュー・感想・評価

3.5
実在の人物ボビー・ダーリンの真実の物語『ビヨンド・ザ・シー』。大好きなケビン・スペイシーが製作・監督・脚本、そして主演をつとめた作品です。

めっちゃオススメな映画てなわけでもないんやけど、しっかりエンターテイメントしていて、ケビン・スペイシーがミュージカルに挑戦していて、見所はしっかりある映画です。どうやら、ケビン・スペイシーはこの映画に構想10年をかけた、念願かなってのプロジェクトやったみたいです。そんな心のこもった、力のこもった想いが、映画にしっかりと反映されています。

ボビー・ダーリン。私はこの人を知りませんでした。ケヴィン・スペイシーは、ちっこい時からママの影響で彼のファンやったみたい。ケヴィン・スペイシーて冷淡な役が多いし、クールな人かと思いきや、ほんまは映画に対する熱い思いが誰よりも強くって、そういう所を垣間見れる所も好きな所。

その彼を夢中にさせた、ボビー・ダーリンて人は、ちっこい頃心臓が弱くて長く生きられないって宣告されてる。そんなボビーにとって、唯一の光となったのが、まさに音楽やった。そいで、病気も少しずつ克服していって、ニューヨークで本格的にプロの道へと歩み出すの。

天才的なスウィングでファンを魅了し続けたん。そんな中で最愛の妻と出会ったり、自分の生い立ちについての衝撃的な真実を知ったりして、時には自分を見失ったりもするんやけど、周りの人たちの支えや、何よりも音楽に支え続けられて彼は一生を遂げる。

映画自体は、ちょっとファンタジーぽく作られていて、彼が自分の映画を撮るような視点で物語は語られているんやけど、どんな風に自分を映画にすればいいかを迷っている時に、10歳ぐらいのボビーが、大人になった彼を導いていくの。そんな風に幼少時代と最期を迎える年老いた二人のボビーによって、彼の人生を見つめていく構成になってるねん。このちびっ子ボビーが、ケヴィン・スペイシーと並んでも引けをとらないぐらいの芸達者で、すごいです。

「ボビー・ダーリンは死なない」てエンディングで語られるシーンがあるんやけど、これはボビーのファンであるケヴィン・スペイシーの想いなんやろか。ケヴィンにとって大切な人で、本当に天才的な才能があったボビーに向けたはなむけであるような気がしたよ。

今回のケヴィンは終始スウィングに乗せて歌を歌うねん。なんやったら、踊ったりもします!この映画も音楽がとっても素敵な作品です。華やかな舞台の裏で、天才と呼ばれるシンガーも悩み苦しみ孤独を味わっていたりする。そういうリアルな視点と、ファンタジックな素敵な音楽がうまいことシンクロしています。

「彼は全てを手に入れいていた。演技力、カリスマ、そしてあのベルベッドのような美しい声も。」(byジョニー・デップ)
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