ShinMakita

TATTOO「刺青」ありのShinMakitaのレビュー・感想・評価

TATTOO「刺青」あり(1982年製作の映画)
2.0
※廉価化されたBlu-rayの購入鑑賞記録



15歳で強盗殺人を犯し少年院に送られた竹田明夫。出所し二十歳を迎えた彼は、大阪ミナミでクラブのボーイとして働き始める。30までにドデカイことをしてやる…というのが口癖の明夫だったが、せいぜい出世してもクラブの雇われマスターどまりだった。ボーイ時代に知り合ったホステス・ミチヨと同棲するも、生来の暴力衝動からDVを繰り返してしまう日々。そんな中でクレー射撃と大藪春彦の小説と出会った彼が、再び犯罪に走るのは時間の問題だった…



「TATOO[刺青]あり」


昭和54年1月26日に発生した三菱銀行人質事件。その犯人をモデルにした映画です。宇崎竜童演じる明夫があまりに自己中で卑小な人間でイラっときますね。「復讐するは我にあり」の緒形拳ほど突き抜けてもいないし、他人に優しいときはとことん優しいという中途半端な犯罪者ぶりがリアルでした。別にクレーや大藪にハマってる人がイコール犯罪者予備軍というわけじゃありませんので誤解なきよう。そもそも彼の人間形成に関わった2人の女…関根恵子と渡辺美佐子の甘やかしと無言のプレッシャーが、凶行の大元のような気もしますね。


本屋の原田芳雄、クラブオーナーのポール牧、電気屋社長の植木等、彫り師の泉谷しげると、カメオも豪華。正月の海に突き落とされる役で大杉漣が出ていたのには驚きました。
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