のり

血と砂ののりのレビュー・感想・評価

血と砂(1965年製作の映画)
4.2
明るくユーモアに溢れる戦争映画。テンポもよく、笑いどころも多い。
軍楽隊が奏でる〝聖者の行進〟は戦争の重い雰囲気を吹っ飛ばす。ミュージカルとはまた違うけども、戦争と音楽が見事に融合。

戦闘のせの字も知らない軍楽隊の兵士たちが、三船敏郎演じる曹長にしごきあげられ、戦場を経験し、仲間を失くし、女を抱き、1人前の兵士になっていく姿は観てて熱い。戦争を通して人間として成長していくってのはあまり無いパターンだと思う。

青年たちを支えるキャストも個性豊かで観てて面白い人物ばかり。
あんま昭和の俳優詳しくないけど、三船敏郎以外にも大俳優がわんさか。

戦闘シーンは派手でエンタメ性抜群だけども、ひとりひとりの人物にしっかり焦点が当てられてて人間ドラマとのバランスが良い。また慰安婦問題など戦争当時の問題も扱われてるし、一筋縄ではいかせないテーマがいくらか盛り込まれてる。傑作。
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