さ

終電車のさのレビュー・感想・評価

終電車(1980年製作の映画)
4.0
久しぶりのトリュフォー。やはり私彼の作る物語や登場人物がとても好きだなと再確認した。ナチ占領下のパリの劇場が舞台になっているけれど、決して息苦しい物語ではなく(もちろん場面は閉塞的ではあるけど)人の感情にフォーカスした映画だと思った。最初は少し退屈なんだけど、劇場と地下室が繋がってから一気に物語が面白くなる。彼が描くヒロイン大好き。マリオン、ほとんど笑わない愛想ゼロ、裁くような目で男を見る。彼女の媚びを売らない気高い態度が素敵。愛想ゼロでも魅力がダダ漏れで人を惹きつけてしまうんだよね…ルカも好き。「妻は君に夢中だ。君は妻を愛せるか?」はい??男前すぎます。ていうか不倫に寛容すぎやしないか??これはフランスのお国柄なのかな?
ゲシュタポからルカを匿うところだったり、好きなシーンは沢山あるけど、なんと言っても終戦後をまとめたラストシーンが秀逸。うますぎる、天才。思わずお見事と声出してしまったよね。
カトリーヌドヌーヴの美しさ、しばらく忘れられなさそう。
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