B姐さん

追悼のざわめきのB姐さんのレビュー・感想・評価

追悼のざわめき(1988年製作の映画)
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とにかく真っ暗でタブー的な映像表現のてんこ盛りだったりするのだが、変に叙情的だったりするのが不思議。
大阪、モノクロということもあり、田中登『色情めす市場』の匂いもする(「寺山修司っぽい」との評もあるが観たことないからわからない)。

監督のイメージ世界について行けるかどうか、といった映画なので、映画に「物語」とか「娯楽」を求めたり、そういったものしか受け付けないひとは嫌悪感しか残らない(たぶん)。「意味」とか「隠喩」「象徴」とかを映画に求める人も置いてきぼりをくらう(たぶん)。まあ嫌悪感を持ちながら置いてきぼりをくらってもいいのだが(そもそも観なくてもいいわけで)。
イメージの垂れ流しで演出と撮影が追いついていないということもなく、なんてことないシーンですごく印象的なショットがあったりする。
自分は一つでも「おおっ!」と思うショットがあればいいひとなので、あるシーンの撮影では心底吃驚した(そのシーンは犯罪すれすれというより犯罪のような気がする)。

大人になってからこの映画を観て本当によかった。
高校生とかで観てたら、映画の嗜好うんぬんより完全にトラウマになっていた。

DVD(3/31/2015)
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