みおこし

青空に踊るのみおこしのレビュー・感想・評価

青空に踊る(1943年製作の映画)
3.4
戦闘機パイロットとして名を馳せたフレッドは、休暇でニューヨークを訪れる。そこで出会った女性写真ジャーナリストのジョアンに一目惚れし、猛アプローチを仕掛けるのだが、彼にはジョアンとの関係をより深いものにすることができない秘密があった…。

1943年、まさに第二次世界大戦の真っただ中。ということもあり、本作もある種のプロパガンダ映画としての色を持った作品なのですが、さすがのフレッド・アステア作品。他作品同様にあざやかな珠玉のダンスシーンに、戦時下のファンがどれだけ勇気づけられたか容易く想像がつきます。特にバー・カウンターの上で歌い踊るソロ・ダンスシーンが圧巻!
今回の相手役は当時アイドル的人気を誇ったという美人女優ジョーン・レスリー。彼女とのダンスもよかったのですが、この時ジョーンは18歳、アステアは44歳ということでちょっと年齢差がありすぎる…。しかもアステアのほうからストーカーまがいの猛烈アプローチをするので、いろいろとツッコミどころが(笑)。彼が扮するのが空軍の勇士、その名も“フレッド”役というのもまた面白いし、時折「ジンジャー・ロジャースと友達だよ~」なんてセリフも飛び出したりと、色んな意味で他の出演作の設定とは一線を画した1本でした。

そんな楽しいシーンが続いた後に、突然まだ戦時中なんだよな…と痛感させられるほろ苦いエンディング。当時多くのハリウッドスターが戦争に協力していたのは言わずもがなですが、アステアもこういった形で国に貢献していたと思うと改めて不思議な感覚になりますね。
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