続編に向けて予習と復習。
初めて観た当時は10歳くらいで、婆ちゃんと見てラブシーンが気まずかったことを覚えている。
内容も、ロッキー4と同じで音楽に頼りまくりの国威高揚アメリカ万歳映画だったという印象。
それなのに続編の予告編を観た時に懐かしさと切なさが去来し、この作品とは何だったのか気になり始めた。この気持ちは何だろう?
見直して思うことは、ストーリーは大甘の王道で深みはないけど、ツボを外さない的確なエンターテイメントと言う程度の娯楽映画。
しかし、それ以上に80年代を象徴する作品だったのだと痛感する。子どもだったのにも関わらず、それでも感じずにはいられない、あの頃の強烈なパリピ文化への憧れ。
その権化たるトム・クルーズの一大出世作。あの頃、若者はみんなMAー1を着てレイバンのサングラスをきめていた。
強い国、強い自分、ナウいファッション、ゴキゲンな音楽、約束された未來。
そこから全てが幻で虚像だったと突き付けられた36年間。世界は理想を失った。
そこに帰ってきたマーヴェリック。
80年代の権化がここに帰還した意味を知りたい。ずっとスーパースターを続け、伝説の存在となったトム・クルーズが一周して原点へと戻ってきた意味。
この第1作目が文化に対して犯した罪と向き合ったのか?あの時、無邪気に未來を信じた若者はおっさんとなってしまった。
時代と共に映画も我々も文化も年をとる。
だからこそ最後の夢を信じて続編を観に行きたい。
まだ飛べるのかと。