ドッグファイト専門パイロット養成機関「トップガン」。そこで学ぶトム・クルーズは天才的なパイロットだがちょっと問題有りなスタンドプレーヤー。
空中戦とトム・クルーズのカッコ良さだけでこの映画の99.9%は構成されており、ストーリーはおまけである。例えて言うならビックリマンのウエハースみたいなもの。
何もかもが「THE80年代」であり、その当時のいわゆる「時代の寵児」的な映画らしい。あの有名な曲も勿論例外ではないが、僕は80年代特有のチープな軽い音があまり好きでないので、途中からはドッグファイトのシーンを何度も巻き戻しながら(今の子は「巻き戻す」が通じないらしいね)、ひたすらこのシーンに合う重い音の曲を探す遊びに興じていた。
結果、最近お気に入りの人間椅子を当ててみたところで諦めた。あの軽い曲以外はもう絶望的に合わないのである。レッチリもレイジもメタリカも全然ダメ。Mr.Bigは試し忘れた。良い線は行くだろうけど多分ダメだろう。やっぱりケニー・ロギンスのアレじゃないとダメなのだ。
そんなわけで、僕は80年代の見事な結晶としてのこの映画の奇跡を目の当たりにしたのだった。時代に愛される作品というのはもう理屈抜きに凄い。この作品でトム・クルーズは一躍スターダムへとのし上がった。納得である。