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ブラッド・ダイヤモンドのchisatoのレビュー・感想・評価

ブラッド・ダイヤモンド(2006年製作の映画)
4.3
西アフリカ南西端に位置するシエラレオネが舞台。貿易の私の大学の教授が授業内でオススメしていた作品。紛争ダイアモンド、少年兵、戦争ビジネスについてあまり認知されていないであろう社会問題を知るきっかけとなる映画。予備知識が無いと難しいかも。

先生の映画評で印象に残った部分↓

「血塗られたダイヤ」を、アフリカの人々にとって「希望のダイヤ」へと変えることができるのは、炭素をダイヤに変えるような自然の力ではなく、人間の行動なのである。

http://kobasemi.exblog.jp/6409030/#6409030_1

序盤、RUFが村人の手を流れ作業のように切り落とすシーンで驚愕。中盤、捕らえられた未来の少年兵が目隠しされて「銃を撃ってみろ」と指示され、言われるがままに撃つ。目隠しを外すと目の前に男の人が倒れてる。周りのRUFは人を殺せた少年兵を讃えるかのように騒ぐ。こんなショッキングなシーンなかなかない。また空爆を受けるシーンでソロモンが斧で人を殺すシーンも目を覆いたくなる。しかしこれが目を背けてはいけない現実だ。

この物語の筋も良くできていて、アーチャー(レオ様)は自由、ソロモン(黒人)は家族、マディー(記者)は真実という異なる目的を抱きダイアモンドを追い求める。

割と重要なところで息子への愛が止まらず危険を冒してディアを探しに行ったり声を上げてしまうソロモンに少々うんざり笑
ソロモンがディアを見つけて逃げ出そうとしたらディアが暴れ出すシーンもいかに少年兵に仕立てられたのかがわかる。
やっとダイヤへありつけたと思ったら愛する息子であるディアがアーチャーとソロモンに銃を向けるシーンはやりきれない気持ちになる。
ソロモンが脱出し、アフリカでない安全な場所で、家族への想いを馳せながら、1人時間を過ごすシーンは何とも寂しい。再会のハグは実に感動的。
マディーも真実を伝えることができ、政府の悪事を暴くことができた。
そんなこんなでラスト大号泣。
アーチャーの最期は正直あまり感動しなかったかな。むしろなんでここまで生き残れてたのか不思議なくらいだから。
映画の終わり方も涙を誘う。ソロモンがスーツ姿で背筋しゃんとして壇上へ立つ、安堵も感じさせる誇らしげな表情。
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