オクムラ

月に囚われた男のオクムラのレビュー・感想・評価

月に囚われた男(2009年製作の映画)
3.7
最近見た宇宙モノにハズレが少ないです。
これもその一つでした!興味深い映画でした。

主人公のサムは月面での3年間のエネルギー採掘の仕事の任期を残すところあと2週間となるが…。という感じの内容。

タイトルだけ見ると月に取り残されて帰れないといった話かと思いました。それこそ近いのだとオデッセイみたいな。でも見てみるとそんなことはなく、実際宇宙モノと言いましたが、宇宙にいるだけでサスペンス、スリラーといった要素のが強かったです。でもあくまでSFです。

ほぼ登場人物はサムのみ。
基本的に一人芝居です。
基地の中にいるのはサムと人工知能ロボットのガーティ。そして、送られて来る映像メッセージの妻だけ。

そして、なにがえっ?と思ったのは本来ならかなり大事な部分であるはずの部分が中盤に放り出されてしまっていること。
結局そこから自分は何者かというアイデンティティ的な問題へと発展し、宇宙空間の月面基地という閉塞感の中で生じる葛藤というか、悩みというか…。
低予算映画らしいですが、そんなこと関係なしに個人的には見入ることが出来ました。
自分が見た映画でアイデンティティ的な部分ではガタカやアイランドに近い気がしました。でもそれよりも閉塞感というか孤独感に苛まれている感じがなんとも。

いい映画だったんじゃないかなと思います!