Jホラーブームに乗っかって多量に発生したリング焼き直し系ホラー。携帯という最も身近な機器を題材にしたというアイデアは画期的だが、それ以外はアメリカンホラー的なジェットコースター感のあるリング。
死までの期間が短くなってポンポン人が死ぬ。若干グロめで。ジェットコースター的な、アメリカンホラー的な勢いとテンポが上手くエッセンスとして加えられており、三池監督のエッジの効いた作風が作品と非常にマッチしていたように思う。
静の部分での組み立ては以外に丁寧だが、ショッカー演出をもう少しコンパクトにまとめて欲しかった。しかしそうすると三池監督の持ち味がなくなりそうな気もする…
堤真一と柴咲コウは上手いと素直に思った。柴咲さんの感情を出しきれない感じが上手く主人公の内向的な性格に繋がっていたのも良い。あとなんと言っても綺麗だからこそ余計に怖い。堤さんは言うことなし。カッコいいし渋いし…
問題はクサイ脚本。特に堤さん(の役)の死んだ妹だしてメッセージどーんみたいな展開とか、何となく社会問題入れてる感じとか。クロユリ団地でもそうだったが、やたらと「こうすれば感動するでしょ？」「霊も同情の余地あるよ。悪いと言い切れないよ」みたいなことを激しく主張してくる感じ。要らないとは言わないがメッセージ性とか主張がこちらにあまりに透けて見えて冷める。もうちょっと匂わす程度で伝わるんだけど…客ってもうちょい賢いんだけど…って思う。
でもまぁ、Jホラーブームの追加燃料として大いに活躍してくれたのは間違いない。奥歯にネギが挟まったような気持ち悪い感覚ではあるが、まぁ好きな作品ではある。
