みずけん

着信アリのみずけんのレビュー・感想・評価

着信アリ(2004年製作の映画)
3.8
やっぱりJホラーは海外のホラー映画にはない独特の奇妙さみたいなのが怖い。

僕が近年の日本映画が根本的に破綻してると思う理由は、映画の「背景」が欠如してしまっているからだと思うんですよ。映画って作る人が実際に感じたことや体験したことを入れないとスカスカになっちゃう。でも日本人には「パーソナルこそクリエイティブ」という考えが全くない。

でもホラー映画に関して言えば、宗教的、文化的バックグラウンドを織り交ぜていないおかげで純粋に「どうすれば怖くなるか」を突き詰めることがでる。Jホラーの真髄はここにあるような気がする。
数年前に高評価を得た「ゲットアウト」は、監督のパーソナルな部分をダイレクトに映画に組み込んでいるから映画としてのクオリティは高いけど、正直そこまで怖くはない。

正直携帯電話の着信と、その数日後に起きる死には説得力のある関連性は全然ない。テレビから女が出てくるのも、男の子が猫の鳴き声をするのもちゃんとした理由なんて全くない。でもなんか怖いからいいやん?というこの軽いノリ。ホラーって割とこれくらいで正解なんじゃないだろうか。
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