三味線状態

狂気の行方の三味線状態のレビュー・感想・評価

狂気の行方(2009年製作の映画)
3.0
Netflix
これは完全に確信犯としてやってるが、ウィリアム・デフォー、クロエ・セヴィニー、ウド・キアの濃い面子が揃っても、事態の解決に何の役にも立ってない。
ウィリアム・デフォーの現場捜査だけど、テーブルの上のティーカップの位置の距離を測って、数字をテープレコーダーに吹きこんでいるが、そんなもん写メ撮れば一発で済む。だいたい鑑識がやる仕事でお前らは現場保存だけしときゃいい。さらに死体と事件発生に居合わせた人達をいつまでも同じ場所に置いておく無神経さ。実は犯人とすれ違ってましたという役立たずぶり。
マイケル・シャノンがどうかしてるのは、だれがどう見ても明らかだが、不思議なのはその恋人で、何であんな頭のおかしいのと一緒にいるのか。それは恋人がクロエ・セヴィニーだからとしか説明のしようがない。彼女はデビュー作の『KIDS』で初めてセックスした相手からエイズ感染させられる少女役からケチがついているが、愛した男が連続殺人鬼だった『アメリカン・サイコ』、結婚した男が連続殺人鬼マニアだった『ゾディアック』、ヴィンセント・ギャロのチンポを咥えさせられた『ブラウン・バニー』と、キャリアの大半がパートナーに苦労させられる女役で一貫している。
ウド・キアに至っては完全に出オチで、あんな恐ろしい顔面しておきながら、マイケル・シャノンに困らされた話をひたすら披露するだけ。
自宅に籠城したマイケル・シャノンが注文したピザに睡眠薬を入れないかと提案した刑事がいたが、これがこの事件を解決する手段で一番建設的な発言だろう。それもウィリアム・デフォーがテレビに影響されすぎだと却下してしまうが。
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