ほおづき

崖の上のポニョのほおづきのレビュー・感想・評価

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)
4.0
息子の友達が遊びに来たのにインスタントラーメン出す?
嵐とはいえ激しく危険な運転にも関わらず、母親が息子を気遣う仕草がないのなぜ?
息子放置?
っていうのが最初にこの映画を見た時に感じた違和感だった・・・
     
でもジブリの映画は実写だと思って見ると本心がわかってくる気がするって、実写のほうの『魔女の宅急便』を観たときに感じて、そういう穿った気持ちでこの映画を見なおしたら、仕事でうちになかなか帰ってこない父親とガサツな母親に育てられた母子家庭の健気な男の子が、魚のお化けと許嫁にされちゃうおはなしだったのかって気づいて違和感の正体に気づいたw

ジブリ大好きな友人から
海に飲み込まれた夫を救うためにグランマンマーレと交渉して、自分の息子をポニョの婿に差し出したって話を聞いて、さらにあの母親が怖くなったw 
それがほんとかどうか知らないけど、たしかにそうやって考えると息子よりもうちに帰ってこない夫のほうに愛情を強く持っちゃってる母親像が見えてきて、いろいろ辻褄が合いそうだと思ったw 

最後ほんとうにポニョが人になれたのかはわからないけど、ポニョとそうすけの関係性はゆくゆくはグランマンマーレとフジモトと同じ感じになるわけだから、将来的には『ぼくのエリ 200歳の少女』『モールス』みたいな未来が待ってるのか・・・と思うと、それはそれである意味美しいかもしれない・・・って今なら思う。

そんな昼ドラでホラーwな物語も、日本最高峰のアニメーター集団であるジブリの優秀なスタッフが描くことで、カラフルで夢があって、こころあたたまる素敵なファンタジー作品に仕上がってしまって
やさしいお母さん素敵~とか
ラーメンおいしそ~とか
お母さんを名前で呼ばせるのいいね~とか
言われちゃってるけど
ほんとにほんとに凄いのはやっぱりジブリのスタッフなんじゃないかなぁ・・・って思うの。