【何回目のベルでも】
勇気を出して受話器を手に取り、
『女性を映画に誘う』マーティ。
受話器を耳に当てながら、
『瞑想に耽る僧侶』
の如く目を閉じて、
『苦悶の表情』を浮かべます。
その面持ちから、
女性の返事は容易く読み取れます。
『アーネスト・ボーグナイン』の、
『演者としての深みを感じるシーン』
です。
【勇気の空砲】
『マーティの卑屈な生き方』は、
『映し鏡』
のように僕の心へ突き刺さります。
自分に魅力を感じられない中で、
『勇気を出すだけでも』
『賞賛されるべき』はずなのに、
結果が出なければ褒められることもない。
『マーティの満たされない心』は、
『勇気という名の空砲を撃ち続けた結果』なのかもしれません。
【ゆれる】
人はみな、
『自分が置かれた状況や都合』
次第で、
『容易く相手を否定したり』
『賞賛することができる』訳です。
『相手を自分の世界に幽閉するため』
だったり、
『単純に優越感に浸りたいだけ』
かもしれません。
そんな中で、
『自分を保ち続けるのは至難の技』
であり、
『心情が揺らぐのは当然のこと』
だと言えます。
【自分にとって】
マーティの知らぬところで、
『状況や都合は目まぐるしく変化』
しており、それに呼応して、
『マーティに浴びせられる言葉も』
『目まぐるしく変化』します。
その点が、
『恐ろしいほど現実的』
に描写されており、
マーティは他人の言葉に心が揺らぎます。
しかしその中で、
『自分にとっての価値』を見いだし、
『生きがいを得た』
『マーティの芯の強さ』は、
『僕にとって強い励み』になりました。