性別、年齢、容姿、親、子供、職業、宗教、
あらゆる要素が個人に対して社会的役割を押し付けるためのツールとして使われている。
しかも他者から強制されるだけでなく、
当の本人が固定観念として持ち続けてしまい、
精神的に自縄自縛してしまうのがまた悲劇だ。
そしてそれは現代でも変わらない。
そういった非合理的なルールや常識にムシャクシャしてる人が観れば、
結末でマーティが見せる純粋さと情熱にちょっぴり勇気をもらえるかも知れません。
とはいえマーティが
・デートで女の子に自分の話ばかりまくしたてる(武勇伝含む)
・「この女の子ヤレる」と勘違いからの無理やりキスしようとして断られ逆ギレ
・場の雰囲気を完全に無視して無関係な自分の話を放り込む
など非モテ特有の必殺技を次から次に繰り出すため頭が痛くなりました。
お前がモテないのは顔のせいじゃないぞ、そういうとこだぞ。
それから
子供が独り立ちしたことで人生の目的を失った親、
他人の意見に振り回される主体性のない親などに、
思考を止めた人間の成れの果てが鋭く描かれています。
50年代アメリカに特異なものではなく、普遍的な人間喜劇です。