ムノウ

浮草のムノウのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
3.9
復元版を観ました。
小津映画にも雨は降る。
浮草家業の役者達の悲喜交々、色んな情がそこにあってこんな「剥き出し」の小津映画は珍しい。
でもちゃんと小津映画だった。

京マチ子と中村鴈治郎の軒下土砂降りシーンの罵りあいは噂通り鳥肌。
そんな言う?ドキドキしてしまうじゃない。
京マチ子の目がすごかった。女だ。
そして若尾文子。
私の方が「あかんよ·····(可愛い)」ってなってしまった。
こんなのコロリといってしまいます。

ろくでもない人間ばかりだけど本当の意味で悪い人はいない。
最後にはちゃんと理解して許す。
なんて愛おしいんだ。
ラストの列車のシーン最高すぎた。
この映画を見た人をどこに連れていくんだろう。
ムノウ

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