浮草の作品情報・感想・評価・動画配信

「浮草」に投稿された感想・評価

くわ

くわの感想・評価

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旅役者の座長、駒十郎には
昔もうけた子がいたが
旅回りの役者の子供にさせたくなく
自分の事を伯父だと偽っていたが
連れ合いのすみ子に勘ぐられて…
みたいな人情劇を小津安二郎独特の
淡々としたセリフ回しとカメラワークで話は進んでいきます。
めちゃめちゃ刺激的って
内容でもないので
つまらないという人もいると思いますが
薄味だけど
しっかり味のついてる上品な和食みたいな
映画は個人的に好きです。
決してお金に余裕があって、穏やかな話ではないけれど、時代の温かみや不器用ながら寄り添って生きていこうとする人々の情が、この殺伐とした今を生きる人々には刺さるのではないでしょうか。なんだそんなありきたりなことか!とお思いでしょうが、これを映画にするのって案外大変だと思います。時代を超えて、我々の根底に流れる普遍的な何かに訴えかけるものって、探すのも然り、届けようとするのは至難の業。

キャストは最高。私の大好きな京マチ子は少しやさぐれて色気たっぷりの一座の姉さん。時にはガツンと言うこともあるけれど、親方に最後は泣きついてしまうあたりが、ちょっと京マチ子の勝ち気なイメージと違かったけど、これはこれで全然アリでした。
中村鴈治郎はドサ回りの一座の親方。とにかく不器用。でもあの哀愁がたまらないです。
若尾文子はやっぱり綺麗。京マチ子の9歳下だけど、もっと差があるように見えます。
川口浩は超好青年。後の探検隊の時の色黒でワイルドなイメージなんて微塵もなく、王道イケメン俳優です。最近かりそめで知った若い方々、隊長の川口浩ではなく、銀幕の川口浩もかっこいいですよ。
さん

さんの感想・評価

3.8
初の小津安二郎作品。

他の映画監督に大きな影響を与えた監督と聞いて鑑賞しました。
2020年の20代が観た感想です。

正直、前半から中盤までのストーリーには退屈でした。しかし、終盤の人間関係が一気に動いてからは予想以上に引き込まれ楽しめました。

初見で感じたこの作品の凄いところはなんと言っても構図や美術です。恐らくどのカットで止めてもセンスのある写真のように絵になります。

序盤から旅一座の親方の嫌な感じにフラストレーションを溜め込んでいきます。そこからラストで彼に対してスカッとしつつも同情の念が湧き、感情移入してしまう。物語が終わってからの登場人物たちのこれからに期待したくなりました。そう思わせる手腕は凄いですね。

時代の違いもあり、楽しめない部分もありますがよくできた作品だなと思いました(偉そうですみません)。
小津独特の語り口の中に、感情が詰まった短いカットが繋がれる。
松竹版の原節子&笠智衆の絵を繋げたような語り口も良いけど、細く感情が入ったカットの連続もリアリズムがあって良い。観終わった後に人情の余韻が残る。

雨の中、道を挟んだ軒下で口喧嘩をするシーンは一幅の絵になるし、仕草で感情を表す京マチ子を観ているだけでも好い。

小津映画は、開放的でプライベート空間がほとんどない昭和の日本家屋の撮り方がうまいな、と観る度に思う。
yu

yuの感想・評価

4.7
やっぱり小津映画はいいなあと観賞後に噛み締めるような映画。
とにかく役者が全員良い。途中から嫉妬に燃える京マチ子の表情が見もの。
え

えの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人間が迫り来る〜〜


大映映画で見知った役者たちが小津作品に生きているむず痒さも楽しんだ..
他の小津作品とは若干毛色が違うと言われているようだが、小津安二郎の映画、というものが彼らによって逆に浮き彫りにされている感覚
確かに素敵な瞬間はあるものの全体の面白さは弱いかも
しかし若尾文子もだが特にこの京マチ子、次にどんな目の流し方表情の動かし方をするのか、相手をどう動かすのか、と細かな仕草まで目を奪われてしまって参った
JUiTSHI

JUiTSHIの感想・評価

4.0
京マチ子が着物姿で喫煙する姿が美しすぎるわ
罪よ!罪!
土砂降りの雨の中で罵り合うシーンが見もの
言うまでもないねんけどすべてのシーンが写真として切り取れるくらい美しい
アキカウリスマキがかなり影響を受けているのがすぐわかる
小津さんの映画は世の情けを問うてくれるから、観るたびにわたしの心は浄化されます
Toshiaki

Toshiakiの感想・評価

4.0
小津安二郎監督作品はいつかは見たいと思っていたけどなるほどな余韻を残す。かなりの考察をなさっている方がいらっしゃるので、そちらを拝見して参考にさせていただきます。気になったのは真正面カメラ目線でのセリフのやり取り。
京マチ子の美しさと探検隊を組む前の爽やか川口浩青年が初々しい。
「昔の映画を観てみよう!」シリーズ第2弾。

 前例にならい前知識ゼロで。ティザーの、女性が二人化粧をしている場面に惹き込まれて鑑賞。

 あ、京マチ子さん出てるんだ!運命だな、「羅生門」から連チャンだ。
 監督小津安二郎さん……名前はうかがうがよく知らんな……
 さてさて……
な、なんと美しい描写が続くんだろう……!

 叙情的な描写が多く、極めて詩的!無駄ないなぁー、しかしむしろ饒舌なことよ!
 名台詞的なものも多く、最初は淡々と感じるが(わざとか?)、気づけば極彩色で情感たっぷりな世界に没頭しておりました。
 これはロストテクノロジーか……
 海外の人に観てもらいたいですね。日本以外では絶対につくれない映画です。

 京マチ子さん、やっぱ最高だ。黙祷。
これまでみてきた小津とはまた違う。

これまで見てきた作品は、感情はセリフにも乗りきらず、うまく隠すようなイメージ、そこに上品さや気高さの雰囲気纏ってたけど 浮草 は感情が剥き出し。

京マチ子の目、忘れられない。

全てを振り回してるのに、どこか憎めない親方。まさに、旅人のような人。
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