フィリップが反抗期の娘に言うこと聞かないと車椅子で轢くぞって言って、娘が何よそれみたいな顔してそっぽむくシーンが大好き。
電動車椅子を改造するところも最高。セグウェイより速いって何事。
てっきりドリスは堅苦しい誕生日会を2人でフカそうぜ、なんて言うと思ったらしっかり参加してて、ちゃんとするところはするのね、と感心。してたらクラシックの後に自分の好きなダンスミュージックを流してダンスパーティーにしてしまうところがまた彼らしい。
ドリスの笑顔が本当に心から楽しそうで、私も釣られてニッコリしてしまう。毎回初めは彼との文化の違いに驚いた顔をするフィリップが、次第に顔を綻ばせていくところにすごく友情を感じて心が温まる。
フィリップ役の俳優さんの表情の演技が細かくて、フィリップの気持ちにすごく感情移入できた。ラストのランチシーンが特に印象的。
ドリスはよく言えば素直でエネルギッシュ、悪く言えば育った環境ゆえの傍若無人さがある。だけど、そんなすごいパワーで忖度なく1人の人間として引っ張ってくれる人が、今まで障害者として気遣われてきたフィリップがいちばん欲しかったものなんじゃないかなと思った。
最後の最後、映像で流れた実在のフィリップ氏がタバコを吸っていて、この映画はあくまでフィクションとはいえ、映画のシーンを思い出して満たされた気持ちになった。
