菩薩

恋ごころの菩薩のレビュー・感想・評価

恋ごころ(2001年製作の映画)
3.0
忘れない!
恋ごころ!
いつまでも!
恋ごころ!

と確かに大人の恋愛劇なのだがいかんせんムズい、俺の手には負えない、が、少なくとも恋愛コメディでは無いと思う。主題は「複製」、更に言えば「劣化コピー」だと思うし、青年期の劣化コピーたる中年期をどう迎えどう生き抜くかであったり、既にオリジナルたり得ない映画を21世紀にどう展開していくか、とそんな話の様な気がしてならない。イタリアからフランスとか、終盤は露骨に『めまい』オマージュが出てくる(そもそも台詞で言ってる)辺りもヌーヴェルヴァーグ的と言えると思うし、「軽蔑」や「万事快調」なんて台詞そのものが出てくるのはゴダールへの目配せ?ハイデガーの引用があったり、劇中劇がピランデッロ『あなたのお望みのままに』→シェイクスピア『お気に召すまま』?「パリの誘惑」よりも「ヴェネツィアの運命」ってのがなんともこの作品自体を物語っているし、ロシア式の「決闘」(→『デュエル』)があったり、図書館や指輪なんてのは『セリーヌと〜』っぽいし、そもそも『彼女たちの舞台』っぽい…と各種オマージュありありな気がする。天窓からの脱出の「上昇」のイメージとネットへの「落下」のイメージ、山あり谷ありの先に我は有りな存在論、って事ですかね…分からん…。
菩薩

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