くぅー

HANA-BIのくぅーのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
3.9
ベタに花火の季節に久しぶりに再鑑賞してみる・・・うん、北野武の不器用ながらも美しい愛の描き方にニヤリ。

まぁ、変にバイオレンスを取り入れた、お世辞にもリズムがいいとは言えない展開は賛否かもしれない・・・が、あの久石譲の優しい音楽が、いい感じに不器用さを演出してる気はした。

そして、日本の原風景を生かした映像美も目を引きますね・・・その中にあえて暴力をぶち込むあたりが、タイトルの所以なんでしょうか。

そして、あの秀逸なラストシーン・・・妻が最初で最後に発する、あの相反する二言で、愛を描き切るとは巧みかと。

さらには、今回はあの凧にもいろんな想いを馳せれましたね・・・あの凧の様に上手く行かない人生でも、常に引いてくれる人が居るから何とか飛ばせるし、飛んで行ってしまない訳で。
それと、あの二度の音・・・ある意味、花火の音かもしれませんね。

なお、俳優陣で印象に残るのは、やはり岸本加世子・・・静かにさりげない好演がいい。
他にも大杉漣に寺島進らの北野組の味のあるサポートにもニンマリ。

そんな訳で、『ソナチネ』とセットで見るとまた一味違うのかも。
くぅー

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