燦

ミツバチのささやきの燦のレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
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「現代アートハウス入門」第1夜、トークの録画上映つきで鑑賞。
六角形のたくさんの格子で区切られたはちみつ色の窓と、厳格な父が繰り返し読むミツバチの生態についての文章。屋敷に住む人間たちは(そしておそらく現代に生きるわたしたちも)ミツバチに重ねられ、不毛な毎日をひたすら繰り返す。それは悲しいことなのかもしれないけれど、長回しで捉えられた人びとの生はのびのびとやわらかく、魅力的にも感じられた。
また、台詞が少ない分、うとうとする母親や未知を見つめるアナなど生命のみずみずしさが、ものすごい強度と気迫とで映し出されているようだった。
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