ミミナリうさぎ

ミツバチのささやきのミミナリうさぎのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

評価は映画のストーリーに対してというよりは、
調べてみて作品が作られた意図や状況下における創意工夫的な部分に対して、となってしまった気がします。

調べていると自分の語彙力のなさから、考えや感じていることを的確な言葉に出来なくてもどかしい気持ちになりました...‪。
皆さんいい解釈といい言葉をくださる...。

監督の次作「エル・スール」と対称となる。見なきゃ。

意味深そうなシーンが並ぶ、繋がっているのかどうか、意味があるのか、初見は全くわかりません。
けどわからなくて当たり前、わからないように作らないとフランコ独裁政権下における検閲で引っかかって罰を受けるなり悪い事だとされていたから。

(以下引用)
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「この映画、『ミツバチのささやき』は自由が無い難しい時代、1970年代スペインの独裁政権下につくられた映画だということを知っておいてください。そうすれば公の場で言えなかった事を映画の中で言っているということに価値を見出される方もいらっしゃるかもしれません」(「なら国際映画祭2012 ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』舞台挨拶より)

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アナの姉のイサベルはことば巧みに純朴なアナを騙し、それを信じ込む妹の様子を見て楽しんでいる。小さなイタズラのようだが、イサベルにはそれだけではない描写がある。

イサベルは黒猫の首を締め上げ、噛まれた指から出た血を口紅のように自分の口へ塗る。イサベルに手ひどく騙され傷ついたアナが見つめているのは、たき火を飛び越えて遊ぶイサベルの姿だ。このシーンはまるで魔女たちのヴァルプルギスの夜の宴のようだ。

これを境にアナはイサベルに距離を置き始める。信じていた姉の中にアナは魔女のような悪意を感じ、意図的に彼女から離れようとしている。つまり自分自身で考え始める。

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ラストシーンでハチの巣のような窓を開け、月光を浴びながら精霊に呼びかけるアナ。

蜂蜜色の家の中とは明らかに違う、蒼い月光に支配された世界に立つアナは、もはや巣の中の社会に支配されない存在。

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小言 : 独裁政権に対する隠喩表現が散りばめられていると皆さん言ってるので、じゃあその隠された先が何か調べてもなかなか出てこなかったのですが、Google検索では10年以上前の記事は1手間必要でパッと出にくいので、Bingなど他の検索エンジンをオススメします。

1番ストレートで単純にわかりやすかった :
https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E3%83%9F%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%81%E3%81%AE%E3%81%95%E3%81%95%E3%82%84%E3%81%8D_%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E7%9A%84%E8%83%8C%E6%99%AF
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