Uえい

ミツバチのささやきのUえいのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.9
新作に向けてビクトル・エリセ監督に挑戦。といっても配信しているのは2本しか無いみたい。

1940年のスペイン、郊外の村が舞台だった。当時はスペイン内戦が終わった後くらい、当時の情勢は詳しく無いので調べなくては。

村には定期的に映写技師がやってきて映画を見る興行が開かれていた。幼い少女アナと姉のイザベルは上映された「フランケンシュタイン」を見た。

その後イザベルはアナに、村はずれの小屋にフランケンシュタインが夜に現れると嘘をつく。アナは信じてしまい、夜中にこっそり小屋に行くと負傷した脱走兵が隠れていて、食べ物や服などをあげた。

翌日、アナは再び小屋に行くと脱走兵はいなくなっていた。いたはずの場所には血がついた石が落ちていた。

リュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」をオマージュしたシーンから始まり、何だか凄いことをやろうとしているのかなという雰囲気を感じた。

最後、アナは小屋から逃げ出し、一晩を森で過ごすが、ここがノルシュテインの「霧につつまれたハリネズミ」の様に幻想的だった。水辺で居るはずのないフランケンシュタインに出会うが、自分のせいで脱走兵が殺されてしまったのではないかという罪悪感からの自殺にも思えるシーンで、この重ね技はもの凄い。

アナの家は養蜂を営んでいて、ミツバチの動きを観察するシーンや、窓が蜂の巣状になっていて、中にいる人間がミツバチの様に捉えられるような誘導がされていたのが印象的だった。当時の国の情勢とも関係しているのかな。
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