映画を観て1日経った、あれは一体なんだったんだろうと思う。それくらいこの体験は異常だった。
フランケンシュタインの精霊に出会ったアナの行方不明は明らかに死の暗喩であるけれど、その死を以てアナが何を得て失ったのかは分からない。
一口ではまるで飲み込めない、スペインの歴史情勢、構図、展開、余白の多い作品は必然的に解釈をこちらに委ねることになるので理解に時間をかけることは多いが、『ミツバチのささやき』においてはその最たる例だと感じた。
生き死にの距離感は大人と子供では大きく違うのだと思う。生死を理解する中でそれぞれは大きく離れて行くけれどアナの中では(生死の区別がついていないので)ほぼ同義とも捉えられる。