あやしいねこ

ミツバチのささやきのあやしいねこのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
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『瞳をとじて』を観る前にと思って視聴して参りました。

不穏そうなビジュアルからアナの安否を心配しつつ、イサベル頼むよ〜と思っていたらどうも風向きがあやしい。
え?こっちの方がやばい子?など、結果的に無駄な邪推をしてしまいました。
もっとフラットに、自然な気持ちで観たらよかった。

暗示、暗転、暗示、暗転…ぶつ切りの映像の繰り返しなので、一切情報を入れなかった事を悔やんだりもしましたが。
後に映画について調べてみた上で、むしろ時代背景諸々詰め込んで、隅まで読み解くぞ!とする方が無粋なのかしら、とも。

だって朴訥な風景がひたすらに美しいんだもの。
何よりアナの無垢な瞳には見惚れざるを得ないけれど、同時に大人になってしまった自分が顕になるような気がする。
見た目は似通っていても、誰かにとって不具合があれば“悪”。確かに納得出来ませんね。
年齢を重ねるにつれ呑み込む事を覚えていく側からすれば、心を閉ざしたアナが純粋すぎて、愚かで、神聖なものとして映りました。
当時上映された際に時代背景等の知識が観客にあったのかわかりませんが、「名作」と多くの方が評価する情緒が素敵だなあと思いました。

序盤から猜疑心モリモリで観るような映画ではありませんでしたが、イサベルのあの顔。どう見ても“少女”では無かったのが1番恐ろしかったかも。
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