のんchan

ミツバチのささやきののんchanのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.5
レビューを残すために再鑑賞したが、こんなにも覚えていないとは...自分ながら情けなさ過ぎる💦
スペイン語の勉強をしていた20年以上前に観たはず...きっと8割方寝てしまったのかも🤔

主人公はジャケ写の少女アナ(撮影時5歳)
アナ目線で進む話だが、1973年の製作時はフランコ独裁政権の最中であり、映画の舞台は1940年のスペイン内戦の影響下にあるため、背景や感情等を明確に出来ない事情もあり、随分と隠喩的な表現となっている。
だから台詞は少ないし、観る者はそれぞれ想像の下で自分なりに理解するようなスタンス。
今の自分だから、なるほど〜となり、深い奥行きを感じて味わって観れたけど、若い時では理解不能で寝てしまうのかも...と勝手に納得😁


カスティーリャ地方の小さな村の公民館で映画『フランケンシュタイン』(1931)が上映され、村人のほとんどが真剣に鑑賞する。その中にイザベルとアナの幼い姉妹がいた。
養蜂家の父親は仕事、母親は戦地にいる姉妹の父親に手紙を書いている(母親の子連れ再婚を連想させる)

姉イザベルから「フランケンシュタインは死んでいない。この村の外れで精霊として隠れ住んでいて夜にしか出歩かないの」との嘘を信じてしまう純粋なアナ。
翌日、二人で学校帰りに廃墟まで行ってみるが誰もいない。

その翌日、一人で行ってみる好奇心旺盛なアナ。そこで脱走兵と出くわすが、精霊だと思い込み怖がらずにリンゴを差し出し、その後は父親の洋服や時計を運んで与える。ところがその夜、兵士は銃殺される。

そのことを知らないアナは廃墟の中の血痕を見て、父親が精霊を殺したのかも?と不安になり確認するため、夜に精霊を探しに出掛け行方をくらまして大騒ぎに。

翌朝、助けられ何日か朦朧と過ごすアナ。
姉は死んだフリをしたり、精霊がいなくなったり、自分も死の境目を行き来して、幼いながら"死"を意識するのです。


養蜂のシーン、自然いっぱいの景色、室内は色彩を抑えた絵画のような構図。
とにかく、一つ一つにスペイン国民がフランコ派と反対派で分断されているように、全てが内戦の国民の心情に繋がっているようです。

ラストはイザベルに言われたことを信じて「私はアナ」と目を閉じて精霊に向かって呟くのだった。


アナ(アナ・トレント)がまるで天使🪽のよう。大きな瞳が物語る。
ゴールドのボールピアスが大人げ、マント風コートや革の鞄と靴、部屋着も何もかもが可愛い😍
アナなしでは作られない名作劇場でした。
また時間を経て何度も観直してみたい✨
のんchan

のんchan