のら

ミツバチのささやきののらのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.7
スペインの小さな村に住む二人の姉妹、イサベルとアナ。
二人は村にきた移動映画の「フランケンシュタイン」を観に行く。
アナは映画の中でなぜフランケンシュタインが殺されなければならなかったのか疑問を持つ。そんなアナに、姉のイサベルは「あれは作り物だから死んでない。本物はこの前見た」と言い…。

解説見ないと見終わっても完璧には理解できない難解な映画。スペイン内戦への批判的なメッセージなどは当時の情勢知らない人間には厳しいかも。
トトロの元ネタみたいだけど、アナが脱走兵と出会うシーンは「トトロ?あなたトトロって言うのね?」と脳内アテレコ(…)

まあ難しいんだけどなんか好きだわ〜とも思う。舞台となったスペインの村の荒涼とした美しさや、出てくる少女たちやファッションなどはどこか乙女心をくすぐる。
姉妹が暮らす家の窓が蜂の巣のような格子状になっており、そこから差し込む光がはちみつ色に光ってる様なんかしゃれてるわ〜。
切った指の血を唇に塗ってみたり、妹をからかったりとおませな姉のイサベル。そんな姉とは真逆におとなしく、純粋に物事を捉える妹のアナ。この姉妹の服装の違いなんかも面白い。どっちの服もかわいーの。
妹のアナがべらぼうに美少女。黒目がちの大きなお目々、無垢で透明感溢れる顔立ち。いつも険しい顔をしててポーカーフェース。

ラストまで見て、大人の価値観にしばられない子供だけの純粋な物事の捉え方とか忘れたな…なんか思ったりして。
難解だし解釈の仕方も人それぞれあると思うけど、好きな人は冒頭ですぐ心掴まれると思う映画。
のら

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