アトミ

春婦傳/春婦伝のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

春婦傳/春婦伝(1965年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

60点

支那天津で売春する春美は1人の日本人に全てを捧げ、愛したが男は日本から花嫁を連れ帰ってきた。
晴美は花嫁には「日本に帰らないなら殺す!」と脅し、晴美との関係をこれまで通り続けようとする男には「女と別れないなら殺す!」と男の舌を噛み切った(どえらい女)。


晴美は新天地満州(最前線)の慰安所(日の出館)へ慰安婦他2人&日の出館楼主(雇い主)と共に向かう。
日本軍の同じトラックに乗り合わせたクールな新人三上上等兵と(意味ありげに)目が合う晴美。


八路軍(中国共産党軍。ゲリラ戦、テロといった小規模な攻撃が主)の攻撃を受けながらも何とか日の出館に到着した晴美達。
これで慰安婦は計10人。1人100人を相手する計算で、1時から4時半までが兵隊。7時までが下士官。8時以降が将校というハードスケジュール。
翌日からと言われたが、晴美は早速仕事に入る(ガンガン稼ぎたい)。

曹長と1戦交えた晴美の部屋にベロベロの高圧的副官がやって来て曹長を追い出す。
副官の態度(権力)に対し、ぶちギレる晴美は帰ろうとする曹長を止め、副官にイチャモンをつけたが力ずくでレイプされてしまう(副官は慰安婦を人間以下として扱う)。
が、めちゃくちゃテクニシャンで晴美はエクスタシー感じてしまいめっちゃ喘ぎながらめっちゃ副官にチュウする(この表現は完全に慰安婦を蔑んでるね)。
晴美はこの屈辱、反応する自分の体が悔しかった。


翌日。
晴美は入れ代わり立ち代わり兵隊とヤる。
と、あの三上上等兵がやって来て一瞬晴美は喜ぶが「副官が帰ってくるため夜は客を取らないように。」と命令され「私は副官の女じゃない!」とぶちギレる。

夜。
副官の女ではないが、副官にちゃんと股を開く晴美(仕事にプライドを持ってるんだね)。
副官は気の強い(憎悪むき出し)晴美を益々気に入る(初めて出会うの女)。
そして三上を例に上げ、上官にシッポを振る方が得だぞと諭された晴美だったが三上を誘惑し、副官を貶める企みを持つのだった。


ある日。
晴美はいつもクールに晴美を見る(実は見下しており、晴美も気づいてる)三上を部屋へ押し込み、力づくでモノにしようと襲ったが「バカにするな!」と殴られる。
晴美はそれで三上のことをめちゃくちゃ愛していると気づいき絶叫的号泣。
周りの慰安婦らは晴美が暴力を受けた事に対してぶちギレるが、晴美は「違う!違う!」と叫びながら号泣し続ける。


そんな中。
八路軍の動きが活発になる。

そんな中。
慰安婦を見下していた三上だった(実は童貞だったため)が晴美を受け入れ(寂しさ、ストレス等でメンタルやられており、晴美の優しい言葉に負けてしまう)、ついに2人は結ばれる。が、三上は罪悪感(副官を裏切ったこと等など)で泣く。


晴美は三上と会う時間を作るために副官と交尾するが、三上は「副官とヤッてきたばかり」の晴美を抱く気にはならない(バレるのも怖い)。
副官に対して嫉妬するわけでもなくただただ仕方ないと諦めていると話す三上に対して「弱虫!」とぶちギレ、晴美は2人の心がマッチングしきれていないことを悲しむ。

そんな中。
部隊は八路軍討伐へ向け出動。
が、「哲学断章」を愛読する宇野は軍のやり方やその思想に嫌気がさし逃亡する。

隊は無事帰還。
2人の関係を隠し通したい三上は皆の前でもイチャついてくる晴美を拒否る(周りにバレ始める)。
が、夜にはランデブー。
が、見つかってしまい懲罰を受ける。

副官は嫉妬で晴美をいたぶった。
晴美は副官が眠るスキに日本刀を手にした。
が、その時町は八路軍の奇襲を受ける。
懲罰房の三上も最前線へと駆り出される。

晴美は三上を探しに最前線へ走る。
銃弾、砲弾が飛び交う中をめっちゃ走る晴美(ワロタ)。
壕で気を失ってる(死にかけ)の三上を発見!
晴美はやっと2人きりになれたと三上に添い寝。
と、八路軍兵に囲まれる晴美。
三上を守る。


八路軍基地。
三上は八路軍の手当を受け一命を取り留める。晴美も丁重に扱われる。

「八路軍は日本兵は恨まない。国際法の捕虜の権利を保証する。が、日本軍は捕虜を認めない。貴方達は向こうへ帰れば軍法会議で処刑でしょう。ココにいては?」と通訳(元々日本人捕虜は殺していたが、仲間に入れ利用するために優遇する様になった。が、戦後に捕虜は拷問され死刑。てかほとんどの日本兵は捕虜になる前に自害した)。
晴美は2人でそうしようと三上に話したが、三上はそれを拒んだ。

晴美は自由の証的に中国歌を歌い出す。八路軍兵も一緒に大合唱。
三上は「歌うな!やめろ!」と怒鳴り、頭に血が上ったからか気を失う。

晴美は三上が助かるよう神頼み。
と、脱走し八路軍兵となった宇野が現れ、三上を誘う。
三上は裏切り者として宇野に飛びかかったがするりと交わし、「日本兵が支那で何をしてるかよく考えろ!一緒に支那人と生活しよう!一緒に行こう!」と諭される。
が、三上は日本軍人として喜んで処刑されることを望んだ。
八路軍兵と宇野は基地から撤退して行く。
晴美は八路軍と一緒に行こうと説得するが三上は頑なに拒んだ。


基地にあった食料も底を突く。
不安で泣く晴美だったが狂い始めた三上を助けるため日本軍を探しに向かう。

2人は日本軍と合流。
町に到着。
三上は軍法会議にかけられるという噂が日の出館にも広まった。

そんな中。
結婚(夢を叶え)し日の出館から出て行ったサチコが帰ってくる。
結婚相手が障害者?だった(騙された)ため逃げ帰って来た。自分達(慰安婦)が「まともな結婚」なんか出来ないんだと泣き崩れた。

今日も日の出館には慰安を求める兵隊で溢れかえっている。
色々あって疲れてる晴美だが仕事を取った。
と、副官が現れ、ぶちギレて晴美を殴る。
晴美は三上の正当性を説明するが副官は聞き入れない。
とりあえず泣きじゃくる晴美に「支度」をさせる副官だった(それでもヤる)。

兵の間でも三上は死にに帰ってきただけの馬鹿な奴だと話題になっていた。
と、上官が現れ、三上が「帰った」ことによりこの部隊の名誉にキズがついたと兵らを怒鳴り散らす。
そして「帰るくらいならさっさと死ね!」と命じ、部屋を後にした。


翌日。
晴美は独房に面会に行く。
三上は軍医に診てさえもらえてなかった。
明日、軍法会議の予定。
どんなことをしてでも晴美は三上を助けると約束。
三上は晴美に脱出するために手榴弾を手に入れてくれと頼んだ(やっぱ死刑は嫌)。

そんな中。
なんとか手榴弾を手に入れた晴美は副官から部隊の名誉をキズつけないために三上を軍法会議にはかけず、名誉の戦死という名の処刑を行うと聞かされる。

その頃。
三上は軍法会議が行なわれるタイゲンへと輸送される(晴美は追いかけたが間に合わなかった)。
そしてその途中、荒地にて処刑執行されようとしたが隊長は三上が目を合わせてくるために処刑できなかった。
と、町は八路軍の奇襲攻撃を受ける。
隊長は町へ引き返す命令を受ける。その前に三上を銃殺するよう部下らに命じたが誰も撃たない。
とりあえず部隊は三上を連れて町へ戻った。


三上と晴美はこのどさくさに紛れ逃亡しようとした。
が、三上はやっぱり日本軍人として戦う(死ぬ)と手榴弾に火をつける。
晴美は「私も死ぬー!」と三上に抱きついて離れない。

三上「天皇陛下万歳!!」

晴美は満面の笑みで天を仰ぐ。




後日。
三上は娼婦と心中した日本一の大馬鹿者だと兵らに説明されている。
が、表上は急性肺炎病死として処理された。


朝鮮人慰安婦「三上も晴美も逃げられたのに。日本人はすぐ死にたがる。生きる方がもっとツラい。死ぬのは卑怯だ!」






というお話。
彼女らは自ら進んでわざわざ最前線へと出向いき、それなりの報酬(働けば働くほど金になる)をもらい、日の出館から出ることも結婚することもできる「自由」があった。

朝鮮人慰安婦は人気がなく客(兵隊)は日本人慰安婦と同額払わないとグチるシーンがある。
これが「差別」なのか「サービス不足(心の洗濯ができない。満足出来ない)」からなのかは不明だが「安くヤレるのに人気がない」ってことは「差別」じゃないような気がするが、、、

しかも原作で晴美は朝鮮人慰安婦。
彼女ら「にも」慰安所を選択する自由(最前線へ行くのも自分の判断)があり、働けばちゃんと報酬があり、結婚して慰安所から出て行く自由もあったようだね。

ただ作中で結婚は失敗、晴美も愛する人と伴侶とはなれなかった→「慰安婦には人並みの幸せ(夢)は手にできない」というメッセージが表現されている。


まあそれはさておき。
そんな中でもただ小説を読みに部屋へやってくる頭のイイ宇野だけはヤッてもいないのに朝鮮人慰安婦に全額支払う。
そして頭のイイ宇野は八路軍に寝返り、日本軍の非常識さだけを全面にアピール(八路軍は常識的)する。
それに加え、ラストの朝鮮人慰安婦の言葉(わざわざ朝鮮人慰安婦に言わせる)。
中国人と朝鮮人は「マトモ」とでも言いたいのか「反戦」というよりも「反日」「天皇批判」的なプロパガンダ臭がクサイね。
この辺りが凄く残念。
アトミ

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