文句なしに大好きな作品。
国家に忠実で真面目なヴィースラー大尉が、劇作家ドライマンの監視を通じて人間らしく変化していく話。
主人公は終始笑顔を見せることもなくむっつり顔なのだけど、監視が進むにつれ、心の揺れ、迷い、嫉妬、優しさが、ちょっとずつ表れてくる。最初は冷徹な役人さんだったのが、だんだんかわいいおっちゃんに見えてくる。
人って、他人の人間臭さに一番惹かれるんじゃないかな、と、そんなことも考えた。
ラストは実に映画らしい、きれいなオチがついてくる。ちょっと現実離れしているけれど、あぁ、報われてよかったなぁ~と素直に泣ける。
原題はDas Leben der Anderen(他人の人生)とのこと。なるほど。原題も邦題も、どちらも素敵。