善き人のためのソナタの作品情報・感想・評価

「善き人のためのソナタ」に投稿された感想・評価

Mariko

Marikoの感想・評価

5.0
先日観た『ある画家の数奇な運命』の監督のデビュー作が
この『善き人のためのソナタ』だったと知り、
実は長年気になりながらも、また後味悪い系の重いヤツだろう
と思って観ていなかったのだけど、俄然観る気になって鑑賞。

いやいやいや、、、
東独の国家側、それも秘密警察シュタージ(Staatssicherheit)
の局員を主人公にした作品で
こうもまっすぐに観られる映画があろうとは夢にも思っていなかった。
…どころか、度々心を揺さぶられ、こんなにも胸を打たれるとは。

シュタージの大尉ヴィースラーがブレヒトの詩集を読んだ時の様子。
それからの彼の心情の変化の微かな表現。
ベルリンの壁崩壊のニュース。
探し当てたHGV XX/7 に声をかけずに去るドライマン
そして、最後の ‘Nein, es ist für mich.'

控えめで静かに張り詰めた緊張感がずっと続きながら
あたたかく明るい光を見せてくれる、
これを名作と言わずしてなんとする。

壁崩壊前の東ベルリンを舞台にした作品。

かの時代の監視社会が生んだ悲劇をえがいているが、おなじようなことが実際に数え切れないほど起きていただろう。
そしていまも形を変えて世界中で行われているという意味で、なおリアリティを失わない作品。
「Das Leben der Anderen(他人の生活)」を覗き見るものの視点がとても面白い効果を生んでいるサスペンス。

ドナースマルクの演出がきわめてていねいで、俳優陣の名演をじっくりと見せてくれる。
あずき

あずきの感想・評価

3.7
ガブリエル・ヤレドの音楽が好きでこの映画を観ましたが、美しい音楽が効果的に使われていて映像ともとてもあってました。

寡黙だけれど、心情の変化が綺麗に描かれていて、そこからエンディングの流れがとても良かったです。
ゆうゆ

ゆうゆの感想・評価

4.6

あのラストシーンのために
この長い物語が紡がれてきたんだと
言ってもいいくらい
余韻を引きずる素晴らしいラスト

国に忠実に仕えていた孤独な男が
ある男女の愛に直面し
次第に変化していくおはなし

多くは語られない静かな展開のなか、
盗聴を介して変化していく
主人公ヴィースラーの心境。
組織下の冷酷な人間に
次第に温かな血が通っていくように
とても繊細に移ろうヴィースラーの表情や
訴えかけるように開かれた
澄んだ碧い瞳が 
もう たまらなく秀逸✧︎

硬い表情に鋭い視線で盗聴していた彼が
いつしか彼らに間接的に介入し
次第に ふたりを見守るような
柔らかな丸みを帯びていく。
彼の気持ちの変化をしめす、
幼児とのコミュニケーションシーンや
娼婦とのシーンが印象的

彼らの愛に感化された主人公と
彼に盗聴されていた男ドライマンとの間に
長い時を経て強く繋がれた
友情とも 恩情ともまた違った
不思議な絆に 
言い表しようのない感動があって
込み上げるものが凄かった


『ある画家の数奇な運命 』の
監督のデビュー作。
ドライマン役のセバスチャンコッホは
ある画家~にも 重要な役で出演してたけど
今作ではまだまだ若くて
フェロモンむんむんだった‪𓂃

冷血に見えた主人公がかなり早い段階で変態おじさんに変わってびっくりした。
盗聴ってやっぱり男心をくすぐるのか?
内容はよくある社会主義批判だった。
ウルリッヒ・ミューエ、、、天才、、
HGW XX/7 、、、最高、、、
おこめ

おこめの感想・評価

4.2
1つ1つの要素が個人的に好みでしかなかった。。最高。。

史実に基づいているとは思うけど、表現の自由が失われていた東ドイツで、密かに反体制の執筆(暴露)を企てるドライマンと盗聴するヴィスラーの関係性◎
対立構造として間違いないし、といってサスペンスに持っていかないドラマ性で魅せる映画の構造が最高!

ヴィスラーがどれだけ切れ者かという冒頭でのシーン。。人間離れした冷酷さを演出する学生たちの台詞(講義のシーン)。。そんなヴィスラーが盗聴生活の中で見せる売春婦との性行為。。あそこで「やっぱりこの人も人間なんだな」と気付かされ、視聴者に分からない程度にヴィスラーの隙を感じさせる。。

ドライマンが劇作家という設定がクライマックスまでしっかりと活かされていたし、ヴィスラーの心が揺れ動く時に流れるピアノの音色も重たい雰囲気が流れる今作において、かなり劇的に機能していて○

要所要所で高まる緊張感を演出する画作りも見事!アパートの表玄関を同じ構図で2回使用したり、ヴィスラーが取り調べを受ける際に平行感覚がズレるダッチアングルショットであったり、不自然に止まるトラッキングショットであったり、退屈に見えがちな会話シーンを工夫して多角的に見せていたり!

もっとドラマチックに作り込む事も出来たと思うけど、いい意味で冷たく演出しきった今作は文句無しだったと思うなぁ。

信じてきたモノが崩壊するヴィスラー(愛の力)と、結局は信じてきた人に裏切られた事を知るドライマン。。でもそこで知る本当の恩人の正体。。決してハッピーではないけど、最後に用意されているドライマンの著書「善き人のためのソナタ」のインパクト。。今作1番の劇的な演出であり、最後のヴィスラーの「これは私のための本だ」の一言。。

素晴らしかった。。このクライマックスも、その少し前のシーンでドライマンがドイツが統一されてから一切本を書いていないという元大臣とのやり取りがあったからこそ何倍にも意味のあるシーンに昇華されている。。

役者さんの表情も見事だったし、この作品は基本的にロングで捉えるショットが多いけど、体全体が映り込むショットって高い演技力が要求されるから役者さんの力が無いと滑稽に映りがちなのよ。でも今作は見事にその演出を体現していて◎

ただ、、欲を言えば、、、

ラストのショットは、、ストップじゃなくて、去っていくヴィスラーの後ろ姿とかをカメラが追わずに映し出す、、みたいな感じで観たかったなぁ。。その画のままエンドクレジットに入るみたいな。。

役者良し!演出良し!脚本良し!

映画としても劇としても見事でした!
d3

d3の感想・評価

5.0
優れた芸術作品は観客とともに作り上げられる。芸術家が発信したメッセージを観客が受け取り、感情が揺さぶられることで作品は成立するからだ。
芸術家と観客は作品を通じてつながっている。観客が作品へ本気で向き合ったとき、その人のための作品が完成する。
c5

c5の感想・評価

3.9
◯何が彼の心をそこまで動かしたのだろうか。

◯絶対に揺るがないと思っていた思想も、ヘッドホン越しに聴くピアノソナタに乱されてしまう。

◯とてもいいラスト。まさしく「善き人」のためのラスト。
ムウ

ムウの感想・評価

3.7
面白かった

タイトルとジャケット写真から寒い時期にレコーディングしてるか、HMVとかタワレコで視聴してるのかと
音楽全然関係ない
東ドイツとか闇

最後素晴らしい👍
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