あつし

日の名残りのあつしのレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
3.5
原作を読んだので初鑑賞。まず語りがないのと、日記や手紙を使った形式ではないので、印象がずいぶん違いました。

これは端折るんだ、ここは入れてくるんだと思った中でも、ちょっと意外だった警護されてケントンさんが帰って来るシーン。その後の流れに自然に入るには非常に効果的に使われているな〜と納得しました。

原作では完全に執事という人間になることが第一のようなスティーブンスさんですが、映画ではケントンさんの想いに気付いているのかいないのか。ちゃんとわかってると思うんですけどね、会議の話とかもそうですけど。時代や立場というものに翻弄されたり、固執したり苦悩した人々の話と捉えても面白いんではないでしょうか。

素敵な風景やお屋敷も堪能できました。最後もうまいこと映画的に脚本されてる感じですね。読んで観てを繰り返しても発見がありそうな、いい作品に出会えました。
あつし

あつし