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「日の名残り」に投稿された感想・評価

spammy

spammyの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

小説を読み終わったので。

美しい映画だった。地平線まで続く田園風景、使用人の隠し戸、窓から差し込む光。静謐で内省的、暗いショットほど暖かい光を放ち、明るく晴れやかな日は影を強調する。とてもとても、美しいと思った。小説を読んでいなかったら、もっと素直に楽しめたかもしれない。

映画版にはかなり色々な改変が入っていて、けっこう腑に落ちないところも多い。原作は細かく情報量が多いから、映画という媒体で無理なく語るためにか、かなり簡略化された印象を受ける。ミス・ケントンはめちゃくちゃ喋るし、父スティーブンスとの会話もかなりわかりやすくしてある。主要なシーンは押さえてある感じはしたけど、エンディングの改変が個人的には全く好みではなかった。それでも見てよかったと思えるのは、アンソニー・ホプキンスの解釈を見られたからかもしれない。

もう、アンソニー・ホプキンスの影なしに小説を読めない気がする。イメージとは少し違ったけど、「お噂はかねがね」と言いたくなるような種類のイメージの差だった。所作の一つ一つ、足の運びから口の引き結びかたまで、すべてが執事スティーブンスだった。原作では読者に任せられる狂気的な面も、絶妙なバランスだったと思う。原作の特徴である彼の語りも時間軸の動きも相当簡略化されている中で、すごい情報量。
Pam

Pamの感想・評価

4.3
公開時に見た覚えがあるので多分今から27年前も見たのですが、その時はなんかしんき臭いなあ、ひっつくんかいなひっつかへんのかいな、分かってたら分かってるって言いなさいよ。。と思ってただけで特別な感想も何もなかったんですが今この歳で見てめっちゃくちゃしみる。。。

「月がキレイですね」が

(愛しています)

の国のひとですからこのスティーブンソンの変態的なひねくれ態度も理解できます。

また『ダウントン・アビー』で執事、お給仕、ハウスキーパー、お台所、薪入れ新入り。。と使用人の世界の序列も頭に入ってたので、スティーブンソンさんがいかに責任のあるお仕事なのか、また使用人の食堂での座り方序列など予習してた?ので今回は理解が深かったです。

スティーブンソンが来客に意見を聞かれてわざととぼけて答えないところ、スーパーマンに「俺何言ったっけ」と聞かれて全部わかっているのにまだとぼけてお茶を濁すところ。

『忠誠を誓う』は決してへりくだり、バカになるではない。バカ面するかしこなんだね。若い貴族は「友達だろう」と馴れ馴れしく話してきても身分の差があるので決して友達にはなれない。それをわからない若い貴族はなにもわかってない。

「友達だろう?」という若い貴族が使用人に話しかけるが頑なにその言葉を無視する?執事。それが21世紀のアメリカ映画だと白人宅にお手伝いに来ている黒人のママ友は「あんたとは友達とはずっと思ったことはない」と言い返す。(Little fire everywhereではそうだった)

一つ一つのジャストに彼の品の良さと共用がにじみ出るのだが、不器用にも自分の感情を置き忘れた悲しいどこにでもいそうな男の話である。

自分の完成に蓋をしすぎた男の末路ではあるが決してミゼラブルでも変人でもない。

本当に濃い、しかし、しんきくさい。。大好きになりました。
キリコ

キリコの感想・評価

3.8
前に見たやつ。アンソニー・ホプキンスは主人公のイメージとちょっと違ったけど、原作と同じくらいいい映画だった。
執事という圧倒的黒子におけるdignityとは何か というレポートを大学で書いた あれはどこいっちゃったのかな…
1993年 イギリス ドラマ ラブストーリー!

ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの同名小説を映画化!

久しぶりのアンソニー!
クリストファーも久しぶり!

今回のアンソニーは厳格な執事の役!

夕日🌇が綺麗な映画。
AYUMIS

AYUMISの感想・評価

3.0
子供の頃親が持っていたCDにこの映画のサントラがあって、CDボロボロになるほど聞いた大好きな曲の映画。なぜ子供の時にこの曲が響いたのかわからないけど、今聴いてもいい曲だなぁと思った。こんなに上品な世界観の映画だったとわ、、。
決して安易なおじさんカワイイもの作品に成り下がらない、格調高きおじさんカワイイものでした
Hayato

Hayatoの感想・評価

-
景色、様式、衣装等々に品がある上にアンソニーホプキンスエマトンプソンヒューグラント合わさり素敵な空間でした。
お互いの気持ちは分かってるのに立場とか、体に染み付いた振る舞いが障害になるあのいじらしさと後悔の悲しみが美しい。

イギリスらしい雨や曇天が似合うんです、アメリカが舞台だとなかなかああはいかないんじゃないかな
あにま

あにまの感想・評価

3.0
628作品目。レビュー286作品目。
『日の名残り』
 監督:ジェームズ・アイヴォリー
 主演:アンソニー・ホプキンス
 興行収入:$63.900.000
 製作費:$15.000.000
1985年。ダーリントン邸の執事スティーブンスに、かつて一緒に働いていたミス・ケントンから手紙が届く…。

紳士的なアンソニー・ホプキンスに憧れる。
仕事に忠実な男の美しくも苦い恋愛。
非常に深い映画であった。
motoyAlive

motoyAliveの感想・評価

3.8
日系イギリス人カズオ・イシグロがブッカー賞を受賞した同名小説を映画化した作品。
英国貴族でもあるダーリントン卿のお屋敷で執事長を務めた老執事の回顧録。物悲しさの残るラブストーリー。

歴史的な背景として、第一次世界大戦後から第二次世界大戦に移行するところがメインになっており、イギリスに高貴な使命のもとにではあるがドイツに対して肩入れをしていた貴族がいたというのは興味深かった。

主人公でもある執事長スティーブンは誰よりも仕事への責任感が強く、自分を愛してくれている人からの好意も仕事への影響を考え、押し殺してしまう姿はあまりにも切ない。気になる存在への気持ちの消化の仕方が恋愛小説を読むことでしか出来ない姿もより切なさを増す。スティーブン役のアンソニー・ホプキンスの演技がハマり役で、執事としての立場と愛する人への感情に挟まれながらの微妙な表情の変化が良かった。

スティーブンの行動はまさに後悔先に立たずというところで、自分自身もあの時行動していればと考えさせられることもあり、余韻の残る映画だった。
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