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ルナシーのkerolのレビュー・感想・評価

ルナシー(2005年製作の映画)
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やっと見た。
チェコの映画監督、ヤン・シュバンクマイエルの新作、「ルナシー」。
久々の一人映画館。これは、一人で見に行こう、と何となく思っていたのだ。見た後、感想を言い合うような映画ではないだろうと思っていたから。
私にとってのシュバンクマイエルはルイス・キャロルの「アリス」を見て以来、あの何とも言えない不快感の虜に。そう、不快な映画だから後からあれこれ語りたくないのかもしれない。でも、その不快感の虜になってしまうのが、シュバンクマイエルワールド。

さて「LUNACY」。精神病院の職員に拘束着を着せられる悪夢にうなされている主人公のお話。謎の精神セラピーを行っている侯爵の厄介になることから奇妙な体験をする。いつもの事ながら、異色の作品。

やはり、期待通り。シュバンクマイエルワールドでした。ストーリーの途中途中で踊る肉たち。シュールで不快な映像とクチャクチャした音!快楽主義的な要素!!まともな精神の登場人物がいない。唯一悪夢に取り付かれている主人公はまともかも。悪夢にうなされ、家具などを破壊してしまうのだが…。そして、自由とは?信じるべきものは?色々、一人で黙々と考えてしまう。

誰にもお勧めできる映画ではないけれど、シュールなものが見たい人はどうぞ。

原題は ??len?[シーレニー]…狂気という意味らしい
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