えいみー

ジュリー&ジュリアのえいみーのネタバレレビュー・内容・結末

ジュリー&ジュリア(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

再鑑賞(20230420)。
11年の時を経て鑑賞したが、ジュリアがジュリーを退ける理由を噛み締めながら見ていた(一度鑑賞したことはすっかり忘れ、初見のつもりでFilmarksを開いたら「前にも見てたじゃん」と驚き!そして、11年前の感性と今の感性が異なることにも驚いた)。

「ジュリアから好かれる」ストーリーに決してするべきではないし、「嫌われた」を省くべきではない。
「口調が失礼だから?」「もう会えない」という稚拙な表現は作品全体を通してもストレートに人間味を感じ、非常に良い。ジュリーという人物には「これはファンタジーではなく、どこまでも人間らしいリアリスティックな実話なのだ」と知らしめる役割であってほしい。

当時の社会情勢で自らが必死に紡いだ事柄の数々が、現代人に「消費」される恐れと、あっという間に時が流れていくことやテクノロジーの進化への抵抗感、科学としての向き合い方を貫くなかでのギャップ…そのどれも抱いていたはずで、そんなジュリアへの畏怖と尊敬が、ジュリーを通して全編を通して伝わるものでなければならない。

その意味ではジュリアで始まるオープニングであり、そしてジュリアで終わるエンディング。ジュリーが添え物であることを貫いた、とても良い作品だった。

DVDにて鑑賞(20120914)。
【ネタバレ】非常にテンポ良く描かれていて気軽に楽しめる作品ではあったものの、「わざわざこの話を映画にする理由って…?」と考えてしまった。最後の最後で一気にげんなりさせるので観た後のハッピー感はさほど無い。実話をもとにしたからには最初から最後までリアルに作りたかったのだろうが、制作にジュリー本人は一切関わっていないし、かと言ってジュリア本人だって関わっていない(死後に制作された為)。わざわざジュリアがジュリーを嫌ったシーンをぶっ込む意味はあったのだろうか。料理好きにはウケるでしょうが、中途半端な作品でした。
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