みおこし

地球は女で回ってるのみおこしのレビュー・感想・評価

地球は女で回ってる(1997年製作の映画)
3.3
ウディ・アレン作品コンプリート企画。

作家のハリーは自らの女性体験を著した作品を書いて大ヒットさせたが、あまりに赤裸々に記したために元妻や愛人たちから反感を買ってしまう。現在はスランプ状態に陥っていたが、最新作として世界中で突然彼だけがピンボケしてしまう俳優の話を執筆し始め…。

またもやうだつは上がらないけれどやたらと女性経験豊富なクリエイター(今回は作家)という設定(笑)。正直なところこの設定が多すぎて、この時代のウディ作品はいずれも既視感強めです…。
今回ユニークな点としては、主人公のハリーが執筆している小説の中の世界観と現実世界がそれぞれパラレルワールド的に描かれていて、超豪華キャストが勢ぞろいなのでとにかく見ごたえたっぷり。小説世界でピンボケしてしまう俳優メルを演じたのはロビン・ウィリアムズ。ウディ作品には確かこれが最初で最後の出演かと思うのですが、ほんの一瞬しか出てこなくてあまりにも贅沢すぎる起用の仕方!!(笑)他にもデミ・ムーアやビリー・クリスタルなど、はちゃめちゃに豪華なキャスティングなのですがほぼカメオ出演に近いのでびっくり…。
逆に現実世界のキャスティングもすごくて、日本での一般的な知名度はあまりないかもしれませんが『ベイビー・トーク』のカースティ・アレイや『キャリー』のエイミー・アーヴィング、『マンハッタン』のマリエル・ヘミングウェイなど映画ファンなら観たことがある役者さんが勢ぞろい。

これだけのオールスターキャストなのに、二つの世界の混合というのもあって時系列や状況が飲み込みづらく感じてしまって、さらには主人公のハリーがどうしようもないだめんずなのであまり楽しめず…(笑)。ラスト、ハリーの前に関係者が一堂に会するシーンは壮観だったし、他にも地獄を再現したシーンなどファンタジックな場面が多々あって面白かったのですが、どうもウディ・アレン本人の”独り言”をそのまま映像化したような内容に最後までなじめず終わってしまいました…。

にしても邦題はインパクトがあっておしゃれ!!
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