ダオ

海外特派員のダオのレビュー・感想・評価

海外特派員(1940年製作の映画)
4.3
1940年にアメリカでつくられたアルフレッド・ヒッチコック監督のハリウッド作品第2弾。ヨーロッパにおける第二次大戦前夜の姿を追うアメリカ人記者の奮闘を描いたもの、って1940年!? 戦争真っ只中の時じゃないですか! 複雑に入り組んだ世界情勢を向こうに回しなんという大胆さでしょう。

とはいえそこはヒッチコック、この映画の冒頭3分で新聞社の社長にこういわせるのです。「経済通や予言者はいらん。記者が欲しい。思想のなんたるかもわからん男が」と。つまりは難しいことなんてどうでもいいから、とにかくこの映画を楽しんでくださいよという宣言じゃないですか?
 
いやまぁそのとおりに次から次へと物語は展開しどどどーっと結末にまで一直線、ってなことにヒッチコック作品がなるわけもなく、時にもどかしく、イライラさせられつつも笑ってしまったり、遠くにまで追いやられたかと思ったらすぐそこに謎解きがあったり、どんでん返しの末にまた……。

いささか「アメリカ礼賛!」的な感じもないではないですが、まぁ時が時ですからね、ええ。私自身が特派員になったかのようにヘトヘトになるくらいおもしろうございました。あ、今作にもちゃんとヒッチコックさん出演されてますのでそちらもお忘れなく!
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