ナツミオ

エクソシストのナツミオのレビュー・感想・評価

エクソシスト(1973年製作の映画)
4.5
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞
“キリストの力が汝を追う‼️
 キリストの力が汝を追う‼️
  キリストの力が汝を追う‼️"

子供の頃に公開されオカルト・ブームとなったのは覚えている。苦手ジャンルだったので今回、初めて観たが凄い作品‼️

少女に取り憑いた悪魔との戦いを迫力の演出で描いて大ヒット、1970年代にオカルト・ブームを巻き起こした、名匠ウィリアム・フリードキン監督によるモダン・ホラー映画の金字塔。

・アカデミー賞
10部門ノミネート(作品・監督・主演女優 エレン・バースティン、助演男優賞 ジェイソン・ミラー、助演女優 リンダ・ブレア、撮影・編集・美術賞)
2部門受賞(脚色・音響賞 クリス・ニューマン、ロバート・ニュードスン)

・ゴールデングローブ賞
7部門ノミネート(主演女優・助演男優マックス・フォン・シドー、新人女優リンダ・ブレア)
4部門受賞(作品(ドラマ部門)・監督・
助演女優 リンダ・ブレア、脚本賞)

原題 『The Exorcist』

1973年米作品
監督 ウィリアム・フリードキン
原作・脚本・製作 ウィリアム・ピーター・ブラッティ
音楽 マイク・オールドフィールド ジャック・ニッチェ
テーマ曲:「チューブラー・ベルズ」(マイク・オールドフィールド)
撮影:オーウェン・ロイズマン、ビリー・ウィリアムズ(イラク担当)
出演 エレン・バースティン リンダ・ブレア ジェイソン・ミラー マックス・フォン・シドー リー・J・コップ マーセデス・マッケンブリッジ(声)
日本語字幕 高瀬鎮夫

(NHK番組内容より追記)
北イラクの古代遺跡。アメリカの古生物学者でありカトリックの神学者でもあるランカスター・メリン神父(シドー)は、悪霊パズズの像を発見する。彼は「この邪悪な宿敵と再び対峙する日が近い」と予感する…

映画撮影のためワシントンD.C.に滞在中の女優クリス(バースティン)の一人娘リーガン(ブレア)が、ある日突然奇怪な言動を始める。医師に診せても原因は分からず、恐ろしい現象が次々家族を襲う…

ジョージタウンに住むデミアン・カラス神父(ミラー)は時々、ニューヨークに住む母親メアリー(バシリキ・マリアロス)を見舞いに訪ねている。母親はギリシャからの移民で、ラジオでよくギリシャの音楽を聴いている。カラス神父は孤独を深める母親へ申し訳なさを感じている…

リーガンが悪魔に取り憑かれたと感じたクリスはカラス神父に救いを求め、カトリックの中でも数少ない悪魔払いの経験者、メリン神父が呼ばれカラス神父を助手に悪魔との壮絶な闘いが始まった……。

悪魔との戦いを斬新な映像と迫真の演出で描いて大ヒット、1970年代にオカルト・ブームを巻き起こした名匠ウィリアム・フリードキン監督のモダン・ホラー映画の金字塔。アカデミー脚色賞、音響賞受賞。

題名となっているエクソシストとは、英語で"悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師"という意味である。
(Wikipediaより)

子供の頃はオカルト、ホラーは苦手ジャンルで、『オーメン』(1976)までがギリセーフだった。本作、公開時大ヒットで日本でもオカルト・ブームが流行り、未鑑賞ながら有名な特徴的なシーンは憶えている。

今回、NHK-BSPの放送で名匠フリードキン監督(『フレンチ・コネクション』、『恐怖の報酬』)でもあり、やっと鑑賞した。

冒頭、イラクでの遺跡発掘調査の場面は、ドキュメンタリー・タッチ。
そこでメリン神父が見つける悪魔バズズの偶像が後半への伏線。
イラク・パートのみ撮影はビリー・ウィリアムズ。

重厚な人物描写、悪魔祓いまでのそれぞれの登場人物を丹念に描き、キリスト教思想(人間)と悪魔との対決で人間の内面に潜む邪悪なモノに対峙する2人の神父の壮絶な戦いを音楽、音響を含めた迫真の映像で描かれる。アカデミー賞音響賞、脚色賞受賞、
またマイク・オールドフィールドのテーマ曲:「チューブラー・ベルズ」もマッチして不穏な空気を盛り上げる。

印象的なシーン(ネタバレ有り)
・イラク・パートの遺跡発掘調査で悪魔バズズの偶像、硬貨を発掘するシーンは後半への伏線。

・悪魔バズズに取り憑かれた少女リーガンの変貌シーン。首が一周回る有名シーンもお見逃し無く!(これも超有名シーン)
そしてカラス神父に救いを求めるリーガンのボディサインに驚愕、
"Help Me"‼️

・霧の深い夜、悪魔祓いに訪れるメリン神父が到着するシーン。
タクシーを降りて街灯の下、佇むメリンはジャケ写でも使われる、超有名シーン‼️

・神父たちと悪魔バズズの戦い。
 冒頭のセリフを唱え続け、リーガンの向こうに悪魔の姿が……⁈

・悪魔バズズの巧みな言葉でカラス神父がピンチに陥るところ。
悪魔バズズの声は、往年の名女優マーセデス・マッケンブリッジによる吹替。
ハスキーボイス。

本作以降、映画界ではホラー、オカルト作品が乱立。本作は一級のオカルト作品として映画史に残る名作‼️

AFIスリルを感じる映画ベスト100(2001)の第3位に選出


【忘備録】ネタバレ有り
キャスト
リーガン・マクニール
リンダ・ブレア

クリス・マクニール
エレン・バースティン

デミアン・カラス神父
ジェイソン・ミラー

ランカスター・メリン神父
マックス・フォン・シドー

キンダーマン警部
リー・J・コッブ

ジョセフ・“ジョー”・ダイアー神父
ウィリアム・オマリー

シャロン・スペンサー
キティ・ウィン

バーク・デニングズ
ジャック・マッゴーラン

サミュエル・クライン医師
バートン・ヘイマン

カール
ルドルフ・シュンドラー 松岡文雄

ウィリー
ジーナ・ペトルーシュカ

タニー医師
ロバート・シモンズ

チャック
ロン・フェーバー

メアリー・カラス
バシリキ・マリアロス

悪魔の声
マーセデス・マッケンブリッジ

【備考】
(Wikipedia備考より)
・クリスがワシントンD.C.近郊のジョージタウンに借りる家はプロスペクト・ストリートと36番ストリートにある家である。映画と同じく、その近くに「エクソシスト・ステップス」とのちに呼ばれた階段がある。

・国交のないイラクでの撮影は極めて稀なケースだったが、血糊の作り方を教えることと引き換えに撮影許可を得た。

・ポスターでも有名になった、メリン神父がクリスの家を訪ねるシーンは、ルネ・マグリットの絵画「光の帝国(The Empire of Light)」をイメージして撮られた。

・フリードキンは演出の際、45口径の拳銃やショットガンを持ち出し、ジェイソン・ミラーなどに過剰な演技指導をしていた。また演技経験のないダイアー神父役のウィリアム・オマリーが瀕死のカラス神父に告解を与えるシーンでは、感情を引き出すため、本番直前にオマリーの頬を平手打ちし、その動揺した姿のままで迫真の演技をさせた。

・スタンリー・キューブリックが本作の監督を熱望したが、スタジオ側は撮影に時間がかかることを危惧し、拒絶した。

・ポール・ニューマンやジャック・ニコルソンなどが、カラス神父の役を希望していたが、フリードキンは比較的有名ではない俳優を希望したため、採用されなかった。

・クリス・マクニール役は、ジェーン・フォンダ、アン・バンクロフト、シャーリー・マクレーン、オードリー・ヘプバーンが候補にあがっていた。
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