みおこし

ハロー・ドーリー!のみおこしのレビュー・感想・評価

ハロー・ドーリー!(1969年製作の映画)
3.6
片っ端から怒涛の勢いで鑑賞しているため、最近ほぼ全てのミュージカル映画を観てしまいネタ切れになりつつあります。何か皆様のオススメあれば教えていただきたいです!

今回はバーブラ主演作の印象が強いですが、なんと監督がジーン・ケリーという最強の一本!!興行的には失敗だったようですが、作品としては豪華絢爛そのもの。
かつては社交界の花形だった未亡人のドーリーは、今は町中の人の介添人として、ぴったりのお相手を紹介している。世話焼きな彼女が密かに恋しているのは、頑固者のホーレス。しかし、彼は自分がかつて紹介した女性への求婚を心に決めており...。

バーブラ・ストライサンド人気絶頂期の本作、画面に登場した彼女の姿はそれはそれは華やかそのもの。豪華な衣装も彼女だったら着こなせちゃうし、何より圧倒的な歌唱力...!本作でもその手腕を余すところなく発揮してくれています。
ウォルター・マッソー、大変失礼ながら歌がお上手なことを存じ上げませんでした(笑)。

やはり監督がジーンだけあって、正直歌のシーンよりも踊りのシーンの方が印象的でした。「体張ってるなぁ」と思わず呟いちゃうくらいの激しいマスゲームなダンスに目を奪われます。
大規模ロケを敢行しているだけあって、一度に踊る人数が50人はゆうに超えていて、それもトレイを持ちながらとか、芝生の急な斜面の上で踊ったりとか、明らかに体を痛めそうなのが素人でも分かるハードさ。
ジーンはめちゃめちゃ厳しい振付家でもあったとのこと、きっと並々ならぬリハーサル量を皆さんこなされたんだろうと思われます...。すごいなあ。
しかも華麗なダンスシーン、というよりはアクロバティックだったり、コミカルな動きだったり、ジーンが今まで自分の映画の中で見せてきたような難しいものばかり。もちろんご本人は登場しませんが、見ごたえたっぷりです。
楽曲は軽快な曲のみならず、バラードも多め。ルイ・アームストロングも出てきてバーブラと歌うシーンがあるのでお見逃しなく!

本作を機に、ハリウッドを牽引してきたミュージカルブームが一旦下火となったとのこと。でも時代を感じさせない演出と音楽には脱帽です。
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